山行記録/個人山行/2015/4/28〜5/1/剱岳・八ツ峰主稜

Last-modified: 2015-05-03 (日) 23:10:09 (1028d)
山域北アルプス・剱岳・八ツ峰主稜
日程2015年4月28日〜5月1日
メンバーたまきち、その他1名


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レポート

残雪の八ツ峰主稜行ってきました。 L.N野さん、たまきちで。

当初はチンネ左稜線+C・Dフェースだったが、この時期ならフラットソールでなくアイゼン・アックスの八ツ峰が良いと急きょ計画変更です。夏に一度登攀してるが、様相は全く違うのだろう。

5/27 新宿発〜松本でステビバ。電車・バスを乗り継ぎ10時室堂着。まだ、人はまばら。しかし、真夏のような気温だ。数年前、雷鳥平ベースでスキーに来た時と季節が違う感じだ。大半がスキーヤーの中、デカザック・ツボ足でトレースを追う。暑い。バテル。 11:30剱御前着、迷わずロング缶を流しこむ、旨い。さっ、ここからは下り。剣沢を越え、14時ころ、長次郎谷を登り返す。ほろ酔い・睡眠不足には堪える。なんとか機Ν兇離灰襪鯡椹悗垢1mのクレバス、腐った雪質で断念。

基部に幕営、15:30。 このルンゼは固い雪でなきゃ足が取られる。

翌日2:30起床。しばし明るくなるのを待ち4:15出発。 偵察通り、1つ奥のルンゼを詰める。シュリンゲなどの人工物に安堵しつつ、木登りも交え急登を行く。アイゼン・アックスも爪跡しか残らない。滑らせれば数百mの滑り台。シュルンド端っこは格好の足休め場。3‐4日前のトレースが有難い、感謝。足裏・ふくらはぎがパンパンで座りたい。とにかく、シュルンド脇を繋いで休み休み高度を上げる。ようやく稜線に出た。

7:15。後立山が視界に飛び込み、疲れが吹っ飛ぶ(気がする)。気温も高く、早速グソグソに埋まる。喫も踏むという計画もあったが、雪は全くなくスルー。1.5峰を越え懸垂一発目。その後何度となく繰り返したので、記憶はおぼろだ。8時間あれば抜けられるんじゃね?的に快調に越えていく。少し長い懸垂をし、広い雪原で小休憩。ん?間もなく抜ける? いや、后Ν困離灰襪犬磴覆ぁ絞からの懸垂は2ピッチのはず。そう、ここが絞だった。ちょいと下ると断崖絶壁に出くわす。この支点の木が心許ない。気を付けてと送り出したのが10時ころ。

しかし、テンションかけっぱなしで音沙汰ない。きっと下りすぎて策を講じてるのだろう。ここで焦らせてはいかん。じっと我慢の時。「ちょと待ってねぇ」声が届くと安心する。またしばし沈黙の時。成す術はないのだから、声はかけない、ひたすら待つ。「どーぞ、途中で切って。下りすぎた、左寄りに下りて」と。しかしザイルが重い。きっと身体から離してないのだろう。これじゃ私も右に振られる。「ザイル離して!!」で、ピッチを切る、んだけど。この足場の悪いこと。空中懸垂から壁に振らせて幅10cmのバンドに立つという神業的な動作。支点は足下、フル装備でぎこちない。まずはセルフを取り、ザイル回収と次の懸垂のセットを、、一つ一つ声に出し作業する。「たまきちさーん、僕はここにいるんで、ここを通過して。僕にザイル届くようにして」 「まだセットしてなーい」相当不安定なとこでザイル無し、が不安なのだろうが、ここはじっと待機の時よ、N野さん。

2ピッチ目の懸垂、すぐN野さん発見。連結し、下を見る。届いてるのか判別しかねる。左にしっかりした支点発見。だが、N野さんとこでランニング取ってるので左に寄れない。全くの空中懸垂の中、何度も蹴り、ヒールフック様に寄せるが成らず。もう、下の手が尽きそうだ。途中の草付に立てるかも。ザイルが伸びて案外着地できるかも。とにかく、30mよりは地上1mの方が大事に至らない。スルスル下降し雪面に立てた。心底安心した。ここもシュルンドいっぱいで懸垂が賢明だ。ハーケンもありセルフを取ってN野さんを迎える。相当尽きてたのだろう、勢い良く下りてきた。もう1ピッチ懸垂しコルに出た、12時。

いやー無事で良かった。中休止し先を行く。ここからは雪も途切れる急斜面。どこの岩場を行くか。昼も過ぎたので足場は固まらない。オッソロシイのでザイル出すことに。トップはランニング無しなので緊張だろうが、セカンド身分の私のためのザイルよ。アックスも同時に肘まで突っ込まないと効かない。妻か?ふー暑いのと緊張でのどが渇く。水が旨い。懸垂先はすっぽり空洞ばかりで心も萎える。もう、池ノ谷乗越はすぐそこだ。なんとか抜けたいが、最後はどこをどうやって行くんだ?まさかあの斜面を上がるんかい?あの岩から裏面に抜けるんじゃない?いずれにしても、腐りすぎてて滑落しかねん。で、司からの懸垂を終えるとテンバ跡あり。即決で、本日行動終了。

人糞もあったが、整地に感謝し幕とする、15:15。 明日の行動を検討。長次郎を下り、源次郎も。なんて計画はとうに忘れ去らている。あと、2泊可能。なら、三の窓にテン場りチンネの偵察しよう!明日は明るくなってから行動しよう。でも、夕食はお互いお湯があれば3分で完成。お酒も微々たるで、今夜もヘッテン要らずで日没前に就寝。

3:30起床 ここじゃトイレ行けない。後ろは絶壁、前方は刃渡りナイフリッジ。前人のごとく、マーキングし5:25出発。

この一歩が恐ろしい。朝一にこのナイフリッジはシビレルぜ〜。しかし雪は固く、アックスが効く。しばらく行くとザイル出すという。もっと痺れるリッジが待ってんのかよぉ?緩やかでも登りなら、アックスが効く。平坦や下りは届かない。アイゼン・バランスだけで進むのだ。クライムダウンし最後であろう懸垂をしてシュルンド脇に下りたつ、6:30。

トラバースし最後の雪壁に出た。腐りかけてて、遠目ほど傾斜はない。ノーザイルでokだったが、リードしたという証拠写真のため?あたちきリードする。2ピッチで念願の乗越だ、7:30。  大休止、三の窓を目指す。目の前にはチンネの頭だ。で覗き込むと三の窓は遥か下。そーだよね、18ピッチのチンネのふもとだもんね。で、ここに幕とし、営業終了、8時。

整地して、8:30から乾杯。11時から昼寝。至極幸せな時間。綺麗な夕焼けを拝んで就寝。 明日で下山し帰宅しよう。雷鳥荘のお風呂は11時からのはず。ここからは7時間で着くか?4:20発。一般道といえ気が抜けない。下りは腐りすぎててアイゼンが滑る。落とし穴に怯える。剣沢からの登り返しのシンドイこと。11:30剱御前でロング缶乾杯。

12:30雷鳥平、N野さんは後半戦に突入で幕営。13時から夢にまで見た温泉だ!塩カルビ丼の極うまいこと。最終便のアルペンルートに乗り、帰宅した。

これまた、山歴史に残る山行となりました。こうした山行を重ねつつ、信頼関係が築かれるのでしょう。来年は、利尻東稜ね、N野さん。

(記録:たまきち)


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