山行記録/個人山行/2014/7/30/北アルプス・折立~高天ヶ原~新穂高

Last-modified: 2014-08-25 (月) 12:22:51 (1576d)
山域北アルプス・折立ー雲の平ー高天ヶ原ー三俣蓮華岳ー鏡平ー新穂高
日程2014年7/月30日〜8月4日
メンバーL:S田、M岡、S田(桂)

S田(桂)の レポート

6年前に今回と同じメンバーで黒部五郎岳から烏帽子岳へ縦走中、リーダーが2050mに位置する高天原の温泉に是非いつか行ってみたいと言っていた。今年それが実現しました。天候に恵まれての山行となりました。その温泉は想像していた以上に立派で女性専用と男性専用の2つの浴槽と野趣あふれる混浴の露天風呂があり白濁した湯は最高でした。そこで若い男性に教えてもらったアサギマダラという蝶々も格別綺麗だった。水晶岳を見上げる高天原の湿原ではワタスゲの果穂とクルマユリが大きな群落となり風にそよいでいる。静寂の別天地。この地に立てたことが今回の一番のご褒美でした。

私ごとでの一番良かったことは足の痙攣が一回も起きなかった事。いつもは足のウラと指が真っ先にかたまり、ふくらはぎやもものみならず足首近くの薄い筋肉まで、ありとあらゆる所にケイレンが起き薬を塗りながらの山行ばかり。今回はゼロ。A原さんおすすめの芍薬甘草湯を朝食後に一服飲む。それと篠田が毎年漬ける梅干しのつけ汁をS田にすすめられ初めて持参し水にうすめて毎日1L飲んでました。クエン酸のバワーは素晴らしい。今までにないラクな山行となりました。

心に残った花:群生していたキヌガサソウに感動してカメラに収めていたらちょうどそこへ通りかかった77歳の山男は(聞いてもいないのに年齢を自己申告)「そんなものどこにでもある」と。本当? 本当だ! ありますねー 。また 双六岳へ向かう途中、クロユリの群生とヤハズハハコやミヤマリンドウなどたくさんの美しい花々と出会いました。親子連れのライチョウとの出会いは2回、いつもいつも心温まる気持ちにさせてくれます。

4日目に泊まる鏡平小屋近くの鏡池に映る槍ヶ岳は雲に隠れて見えず。諦めきれない私たちと小屋泊まりの人たち十数人は槍よアタマを出せと念じ、皆んなの気合いで一瞬穂先が池に映り瞼の奥に焼きつけることができ皆さんと大喜びしました。最終日 だんだん天気も下り坂となり上へ行くのを諦め下山する人も大勢いた。今朝新穂高からわさび平の先まで行ったが回復が望めないので帰るという中高年女性三人組が道端でブルーベリーの木を見つけた。小粒だがホッペが落ちそうな甘さだ。新穂高からバスで平湯まで行き温泉と高山ラーメンを頂き心に残る山旅となりました。

最後になりましたがM岡さんの怪我の一日も早い回復を祈ります。


S田の レポート

雲の平へ行くのは今回で3回目だ。 最初は50数年前、まだ小屋も木道もなく細い踏みあとを歩きまさに天上の楽園だった。その10数年後に来た時には小屋も木道も出来ており最初のイメージから大分変わってしまっていた。それでも素敵なところに変わりはない。何れ桂子やM岡さんにその景観を見せたいと思っていた。私も高天ヶ原へは行ったことがない。ということから今回の山行を企画した。

◯7/30 晴れ 上越新幹線で越後湯沢へ行きほくほく線に乗り換え夕方富山に到着。明日からの山行に向け白海老など富山の名産を食し英気を養う。

◯7/31 快晴 富山5:00ー7:00折立7:10ー11:50太郎平12:10ー15:05薬師沢小屋(泊) 昨年折立から薬師岳、立山へと縦走した時には折立を出発する日もその翌日太郎平小屋を出発する日もまたその翌日スゴ乗越小屋を出発する日もまたその翌日五色平山荘を出発する日も更にその翌日一ノ越山荘を出発する日も連日雨また雨の中を出発していた。特にバスを折立で降りた時はゲリラ豪雨のような雨足の強さに出発を30分遅らせたのだった。今回はそのようなことにならないよう連日週間天気をチェックし日程を決定した。 折立から歩き馴れた登山道を進み順調に太郎平に到着したがそこから薬師沢小屋への下りが暑さのなか長かった。薬師沢小屋に着き明日登る雲の平へのルートや黒部川から赤木沢へのルートを眺めていると夕立が落ちてきた。

◯8/1 快晴 薬師沢小屋5:50ー9:45雲の平山荘10:20ー13:30高天ヶ原山荘(泊) 薬師沢小屋から雲の平へ上がる登山道はすごい急登でストックが邪魔になるほどだ。急坂を上がりきり長い木道を歩いて雲の平山荘に着きゆっくり休憩。昨年歩いた薬師岳、6年前に歩いた黒部五郎、鷲羽岳、水晶岳などが眼前に見える素晴らしい景観をゆっくり楽しんでから初めての高天ヶ原へ向かう。結構アップダウンがある。高天ヶ原峠の手前には長い梯子の下りが4本も連続していた。ここまで来ると滅多に人と出会わないがたまに会う人は雲の平から高天ヶ原の温泉まで往復している人だ。聞くと一様にいい温泉だと言う。楽しみだ。アップダウンがなくなるとワタスゲの群落だ。クルマユリやニッコウキスゲも色鮮やかだ。なんていいところだと思うとそこがもう高天ヶ原だった。すぐ先の樹林の中に山荘もみえた。雲の平より断然素敵だ。写真を撮りまくってから温泉へ向かう。往きに20分、帰りに30分かかる。温泉沢沿いに板で囲われた男女別の風呂と共用の露天風呂があり沢の上流から源泉が引かれている。乳白色の温泉にゆったり浸かる。気持ちいい。 なんといい湯だろう。ここまで来るのに2日、帰るのに2日。これこそ本当に秘湯だろう。

◯8/2 快晴後雨 高天ヶ原山荘6:00ー9:40岩苔乗越10:15ー11:15祖父岳11:45ー14:30三俣山荘 高天ヶ原から祖父岳経由三俣蓮華へ向かうのに雲の平へ登り返すルートをとるか岩苔小谷の右岸を行くルートをとるか迷ったが岩苔小谷右岸をとって正解だった。それは岩苔小谷源流部のお花畑が素晴らしかったからだ。岩苔小谷のルートは始めの2時間ほどは緩やかな樹林帯を登るが岩苔乗越が近づくにつれ沢源流部の小さな流れを歩くようになりお花畑におおわれてくる。登山者が少ないためか木道がなくお花畑の湿地を歩くのに自然を傷つけないように気をつけた。シナノキンバイやミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲなど黄色い花の区別がなかなかつかないので我々に追いついた赤い制服を着たレンジャーに尋ねると親切に教えてくれた。岩苔乗越が近づくと豊富な残雪に登山道が見えない。我々に先行していた二人、二人、一人計五人があちこちルートを探している。我々パーティーが残雪の上やガレ場をルートファインして登ると五人も我々の後について来て無事岩苔乗越到着。そこから祖父岳に登り雲の平の日本庭園へと下る。日本庭園では雷鳥の親子連れに出逢う。 突然の出逢いだったので親鳥が余程驚いたのか夏羽の下から白い冬毛を覗かせていたが落ち着くと冬毛は羽の中に隠れた。 日本庭園を過ぎると長い下りになるが残雪のおかげで岩がごつごつしたジグザグの登山道を大分ショートカット出来て助かった。黒部源流のすぐ手前、昭文社の剣立山の地図で急坂と記されている地点でM岡さんがバランスをくずして転倒。下から見ていたがどうも出来なかった。右頬と右肩を打った。ストックは普通に持てるので暫く休憩後出発。黒部源流の標識がある地点では固定ロープを使っての渡渉なのでS田が一度渡ったあと引き返しM岡さんのザックをもってもう一度渡る。M岡さんも無事通過。そこから45分の登りで三俣山荘に到着。到着直前に雨が降りだすが皆懸命に走り余り濡れずに済んだ。三俣山荘の脇に診療所があるので医師の診察を受ける。肩はあまり動かさないようにとの注意を受け湿布薬をもらう。下山したら整形外科を受診するよう指示された。三俣山荘の現オーナーの奥さんと少々話した。雲の平にまだ小屋が出来ておらず木道もない時代に歩いたこと、現在廃道状態の伊藤新道を歩いたことなどだ。伊藤新道の幾つもの吊り橋はなくなっているが何とか道を維持したいと思っているので水量が少なくなる秋には渡渉すれば通過出来るようにしているとのことだ。奥さんは子供を背負いながら厨房で元気に働いている。

◯8/3 晴れ後曇り時々雨 三俣山荘6:00ー7:00三俣蓮華岳7:30ー9:20双六小屋10:00ー13:30鏡平 山荘を出発して一時間ほどで三俣蓮華岳山頂に着く。風が強く寒いが遠目がよくきく。目の前の槍穂高は勿論、今までに歩いた薬師、黒部五郎、鷲羽、水晶が立派だ。よく確認すると赤い赤牛の遥か向こうに立山剣が見えるではないか。そのうえ富山平野、日本海、能登半島までも。これだけ遠くが見えることは滅多にない。嬉しくて仕方ない。双六への稜線を歩き出すと雲がドンドンわいてきて日本海、立山剣は勿論近くの槍穂高まで雲の陰になった。双六小屋に着くと雨になる。小降りになるのを待ち出発。次第に雨は上がってくる。途中の花見平は例年通り残雪豊富で花も一杯咲いている。弓折岳の手前では子連れの雷鳥に出逢う。ほほえましい。鏡平に着いて暫くすると雨が降りだした。これでは初めてここへ来た松岡さんには気の毒だが鏡池に映る槍穂高は見えない。夜一時雨が上がったとき大勢の人が鏡池の前で槍穂高が姿を見せるよう叫んでいる。祈りが通じたのか一瞬槍の穂先が現れた。皆さんそれで満足したようだ。

◯8/4 雨後曇り 鏡平山荘6:40ー11:10新穂高 雨のなか出発。順調にシシウドガ原、イタドリガ原を通過しわさび平小屋に着いた頃には雨は上がった。森林浴を楽しみながら長い林道を歩き新穂高に到着。そこから平湯へバスで行きゆっくり温泉に浸かる。楽しかった山旅の汗を流し帰路についた。 M岡さんは帰宅翌日に整形外科を受診し肩の骨折と診断された。骨がつくまで4週間肩をベルトで固定しなければならない。事故をおこさせてしまい大変申し訳ありません。(S田)