山行記録/個人山行/2014/10/23/南アルプス・弘法小屋尾根

Last-modified: 2014-10-31 (金) 16:02:35 (1386d)
山域南アルプス・弘法小屋尾根
日程2014年10月23日〜25日
メンバーL:たまきち、OZ


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レポート

秋の弘法小屋尾根、行ってきました。

今年の1月、念願の弘法小屋尾根をトレースでき、間ノ岳登頂に成功した。思い入れのあったルートだけに喜びもヒトシオだった。が、予定していた北岳からの周遊は悪天のため叶わず、ピストンに終わった。まあ、あの雪質じゃフル装備では無理だったかも。ならば降雪前に行ってみよう、と再挑戦した次第です。

3000m級だから11月前が良かろう、藪漕ぎ必至なので中旬以降にと春には仮計画が出来ていた。一度歩いているとイメージできワクワクしてた。下部は10僂曚匹寮兩磴世辰燭ら問題なし。赤テープもまずまずあったので心配ない。上部の一面雪一色になってた辺りが藪なんだろう。岩稜帯のアップダウンも雪がなければ、さほど問題ではない。長大な尾根なので体力勝負だ。

▶22日雨だ、ちっ。 とりあえず奈良田に向かう。

▶23日7時起床、土砂降りなら15:30のバスに乗り、取り付きの河原に幕〜北岳経由広河原に下山、もしくは往路を戻るの代案も浮上。っと青空も見え俄然テンションがあがる。 8:05のバスに乗り吊り橋下車、林道を行くとほどなく取り付き、9:30ころ。 冬にはあった丸太橋はない。やはり徒渉か。雨なのでゴーゴー流れてる。OZくんは上流を偵察に行ったり、石を投げ込もうと気の遠くなること言っている。しまいには、木を渡してみると投げ込んだ。気が済むまでやらせておけ。私は渡るならここだという水流とにらめっこし覚悟を決めていた。そこへ、その木がどこにもひっかかることなく流されていった。嫌なもん見せてくれたな。靴を脱ぎザイルで確保され激流に歩を進める。案の定膝上で渡れそうだ、落ち着けあと一歩だ。う〜寒い。フィックスし対岸に戻りザックを担ぎ徒渉成功。お次は徒渉デビューのOZくん、自分の時よりドキドキしちゃう。

ふ〜、身支度して、一人3Lの水を担ぎ10:30弘法小屋尾根スタートだ。ここまでずっと小雨、予報では昼には上がるらしい。樹林帯なのでまあ良いが蒸すのでカッパを脱ぎたいところ。

飯場跡を過ぎ尾根に乗る。うっすらと道だしリボンもある。ただ、急登だ。1時間に400m稼いでる。30分ごとに一服しないとやってらんない。昨日は車中泊。私はぐっすりだったが、OZくんは眠れなかったらしくお疲れの様子。結局雨はあがる気配もない。2500あたりまで行きたかったが、樹林の方が雨がしのげる。2385を目標に一歩一歩くいしばって頑張る。冬に幕営したであろう1900の跡地を懐かしみ、左右ともなんの眺望もないことを嘆き、ようやく14時過ぎに三角点到着!平坦なのでトイレも楽、極上の幕場完成。風はなく寒くない。空腹&お疲れで早々に夕食&18時就寝。一人2度呑みしてるころ雨があがった。夜中には満点の星空、こ〜でなくっちゃ。

▶24日4時過ぎ起床、5:50出発。 藪に備えカッパ着用。しばし行くと藪登場。始めはチョボチョボだったが、次第に背丈以上・まさしく密林。体重で押し分けても足はまとわりついて前に出ない、こける。殿中でござるよろしく足のクロールで歩を進める。これは雨だったら厭だねえ、快晴なので頑張れる。

振り返ると富士山だ!テンション上がるゼ。枝に立つのでバランス悪いし、急登なので腕力も使う。藪の薄いとこで休憩、行く先を望むと絶望的な緑が連なってる。

10時には山頂と期待したが、ダメだこりゃ。そんな邪道は捨て、無心になって藪を漕ぐだけだ。小さな枝ではないので跳ね返しもない。ただ、隙間を作り、道と化し、高度を上げる。見事な秋晴れ、北岳、間ノ岳が応援してくれる。すると雪が出現。山は黒かったが案外着いてるのだろう。黙々と単調作業を繰り返してると岩稜帯に突入したようだ、10:30ころ。 積雪2-3僂。覚えてますよ、この下り。スタンスは平らな岩なので雪があっても問題ない。手足を指示し慎重に下る。ザイルは不要。ここを過ぎればアップダウンの始まりだ。藪も枝ではなくハイマツだからかわいいもんよ。雪があるのでさらに慎重に行く。前爪はないのでアイゼンは無効でしょう。

ナイフリッジ・雪の巻き・クライムダウン・と楽しんで越えていく。気付くと3000mだ。岩稜も終わり、腹ごしらえ・軽アイゼン・防寒を整え最後の急登を行く。微風なので暑い!っと主稜線に出たら突風だ。人も見えた。嬉しくって手を振った。道標も見えた。ついに11:38間ノ岳登頂だ。一番の突風だが芯までは冷えない。握手をし、写真を撮り、ML報告し先を行く。

ちょっと下れば冬から秋さらには夏へ逆戻り。農鳥小屋ではビールで乾杯。私は北岳でなく、農鳥へ周遊したかった。未踏だし、冬合宿の偵察も兼ねて。なによりバス賃がかからない。13時か、ここで幕ならお酒もある。魅力的だが先を行く。水は底をついてるから、なんとしても沢までは辿り着かねばならない。なのだが、山頂やら途中に良い幕場がいっぱいあった。富士山正面・北岳、間ノ岳、農鳥が目前、極上物件じゃ。

景色を目に焼き付け、大門沢下降点を下山開始。太ももパンパンなので下りは堪える。 しかし、日没も間近。2200まで降りると沢もすぐそこだ。なんとか整地して水を汲みに行き、テント設営したら程なくヘッデンが必要だ。ここも富士山が正面だぜ。かなり斜めってるけど。ふ〜良く頑張った、11時間行動か。藪・岩・雪と内容の濃い2日目だった。19時には消灯、私はまた一人チビチビ達成をかみしめていた。明日の行動は楽だもの、お酒が尽きるまで一人宴会。

▶25日5時起床、6:30発。 富士山おはよう!大門沢小屋には7時過ぎに着いちゃった。そこからの道も侮れない。危なっかしい橋の連続、最後まで楽しませてくれるよぉ!切れ落ちた斜面のジグザグ下りやトラバース。とだだっ広い尾根をたらたら行くと林道に出た。ほんと予告もなくあっけなく終わった。

10:15奈良田へ下山。すぐ裏にある女帝の湯に入った、極楽ゴクラク。でも、全身筋肉痛はすでに始まっておりお風呂に入るのも一苦労。階段は核心。その後食べたトンカツ定食のうまいとこ!!いや〜夏は全滅だっただけに超完全燃焼の山行になりました。

(記録★たまきち)

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弘法小屋尾根の旅は、開始早々に、今にして思えば一番の核心部かもしれない、 増水した沢の渡渉で始まった。

10mに満たない川幅と思うが、渡渉が初めての僕にとっては恐怖だった。

「岩をたくさん投げ込んだら道ができませんかね?」 「この倒木でなんとかなりませんかね?」

僕の講じた策は激流に虚しくも飲み込まれ、 確かにたまきちさんがさっきからずっと言っているように、 フィックスロープを張って渡渉するしかないと諦めた。

たまきちさんがリードしてくださり、 さすが、怯むことなく、無事に対岸に辿り着いた。

次は僕の番。 晩秋の沢は大変冷たく、激流は一歩一歩が信じられないくらい重い。 ロープで繋がってるとはいえ怖かった。 たまきちさんのアドバイスを頂きつつ、靴やシュラフを濡らすまいと必死で渡り切った。

ふぅ、一安心。

予報に反して降りやまない雨の中、 道なき道を進み、2385m地点で幕営とした。

前夜の睡眠不足のため、約10時間ほど爆睡。

翌朝は快晴。 しかし第二の難関、背丈ほどのハイマツ地獄が始まった。

藪漕ぎに慣れない僕は、遅々として進まない。 ここでも「ハイマツは踏みつけて乗るようにするとよい」と たまきちさんからアドバイスを頂く。

山のOJTだ。大変勉強になる。

そうやってようやくハイマツが薄くなり、 目指す間ノ岳山頂が見え始めると、 いよいよ核心部の岩稜が始まった。

痩せた急峻な岩尾根に雪が乗り、 さらにハイマツがルートを覆い隠しているという難路だ。

ロープ必須というほどではないが、 落ちたらただでは済まない。

途中まで僕が先頭を進んでいたが、 やや危険な箇所でたまきちさんが代わってくださった。

手掛かり足場を示して頂き、無事突破。

もう稜線が目の前だ。 軽アイゼンをつけて急な雪混じりの壁を慎重に登っていくと、 とうとうゴールの間ノ岳山頂に着いた。

稜線は雪で真っ白。もう冬の装いだ。 北岳がドーンと出迎え、甲斐駒も隣で白く輝いてる。彼方には富士山も見える。 最高の眺望だ。

渡渉と藪漕ぎなど、またまた僕にとって初モノずくしだった弘法小屋尾根。 またひとつ山男への階段をひとつ上がれたかな。

(記録★OZ)