山行記録/個人山行/2012-09-07〜09/北ア・穂高岳屏風岩雲稜ルート

Last-modified: 2013-05-14 (火) 13:00:13 (1918d)
山域北アルプス・穂高岳屏風岩雲稜ルート
日程2012年9月7日〜9月9日
メンバーたまきち、グレ子

報告

穂高岳屏風岩雲稜ルート行ってきました。過去、夏合宿で計画するも連日雨で涸沢に3泊軟禁・横尾にベースを張りT4尾根の偵察後雨敗退と取り付きさえ拝めていなかった。春ころからグレ子さんと屏風行こう!行くなら雲稜ね!と計画は実現化していた。ルートが長い・屏風の頭に抜けたいということから、初日はT4基部にビバークと計画したが、そんなとこはないと言う。ならばT4まで上がろう。

前夜発のバスで5:30上高地着。ここの所大気が不安定で懸念される。グレ子さんは出発前から心配の様子。私は、初日は晴れ・翌日も午前中はもつんじゃないか?それまでに登攀を終えてればなんとかなるんじゃないか?と楽観的すぎか。


9/7

 5:55に上高地を出発。ビバークなので軽量化した。個人マット・シュラフ・個人コッヘルは省略。鍋もお湯を沸かすだけで調理は不可。でも、ツェルトの快適を求めポールを購入。ハンマーにアブミ・ガチャなど20Lザックに収めた。重いけど、視覚的に軽いので8:10横尾と快調に進む。

天気は明日は芳しくない模様。でも、今日は快晴。T4までは行くゼ。水3L+ビールを担ぎ続行。梓川の徒渉はあっけなく済んだ。半分は飛び石で、裸足になって7-8歩で渡れた。

9:15 1ルンゼ押し出しを詰める。どっと汗が噴き出て、真夏を実感。

10時半T4取り付き着。小さな岩小屋があった、ビバークも可能だ。

10:55小暮さん1Pリード。ザイル・ガチャはザックから出たが重荷は変わらない。足が上がっても、体を引き上げられない。移重も振られそうで決心がつかない。2Pたまきちリード。空身なら快適な登攀だろうと思う。ランナウトに耐えるべく吠えていた。引き上げていたら、単独者が下りてきた。12時半で行って下りてきたのか、ツワモノだ。そこからノーザイルで上がり、最後はお助け紐のごぼうで越えた。

13:15T4着。なかなか広いスペースだ。もう2P延ばし、扇岩でビバークも考えたが荷が重すぎる。雨敗退を考慮しても、ここがベストだろう。ツェルト張って、雨対策したらビールで乾杯!他愛もないお喋りで明日の登攀には触れず、だったね。

17時には夕食も済み、グレ子さん就寝。暗くならない内に私も消灯。っと19時雨で起こされる。っげげ、今日は降らないんじゃねーの?で一人ちびちび二度呑み。ほどなく雨は上がり寝につく。寒くはないが、ちょくちょく起きた。1時にもパラッと来た。


9/8 

4時半起床。ツェルトがたわんでるので、傘さして空間を確保し朝食を済ませる。ガスがかかってるようだが、降ってない。撤収と準備を開始してると、グレ子さんから撤退の提案。T4で2時間はかかり過ぎ&天気は下り坂、と。でも、何も急いで下りるこたぁない!まだ5時半じゃ!、岩も乾いてる。「じゃあ、時間を決めて判断しよう」「11時には最終判断」で、1Pたまきちリード5:55。ここは50mいっぱいまで延ばし時間の短縮をと考えていたルートだ。

さっそくアブミも出動し、昨日よりは軽くなった荷に喜びクライミングに集中する。が、ギアが不足した。ここも抜けなければと焦ったが、ランニングなしじゃ行けない。ここでピッチを切る。そのままグレ子さんリード、5mほどか。2P小暮さんリード。細かいカチのトラバースでアブミ使用、左上し扇岩テラスまで。セカンドも上がった時点で8:40。

ここで2度目の撤退提案。2時間半は時間かかり過ぎ&空気が冷たく雷雨になったら下降も決死の覚悟、と。「いやいやガスは切れて青空でてるよ!10時には判断するとして、ここだけは何としてもリードしたい!」「扇岩でビバークも可能なんだから」

3Pたまきちリード。35mの人工ルート、ワクワクするゼ。焦ってはいけないが、強引に延ばしてる分、時間短縮に心掛ける。アブミもなるべく2段目に乗り込み一気に次へ。フィフイでの休憩も少な目に。ビレイ解除しザイルを引き上げ始めたが、上を見るとアブミルートが続いてる。もう少し先だな、と上を行く。テラスに見えた所は実はバンドでトラバースを強いられた。

これって4P目だ。ピッチを切ることも、戻ることもできず、残り少ないヌンチャクで渡りきった。これまた寿命を縮めた感があるが、最後の一歩・足が伸びた感もある。支点もありホッとしビレイ体制に入り時計を見て驚く。9:50とな!なんと1時間以上アブミと格闘してたのか。セカンドを引き上げ10:25。約束の10時、判断の時。

ガスは薄く、核心は越えてる、行くっきゃないっしょう!これにはグレ子さんも賛同。4P続けた時点で観念したようだ。いや、確信犯じゃないよ!そうとなれば急げ、

4‐5Pグレ子さんリード。傾斜が落ちスルスルザイルが延びる。

6Pたまきちリード。快適なスラブA0と記されてるが、アブミで登攀。ちょっと濡れてたしね。ピッチを切ろうと思ったが5m上の方が安定した支点だ。これまたギア不足でランナウトしたが吠えて克服。もう、終了点が目視できる。あと1Pだ、雨との競争だ。

7Pグレ子さんリード、とっとと行っちゃってくれ〜。なかなか侮れないので慎重に続いた。

8Pたまきちリード、教蕕箸△襪里之擇させちで行ったら、湿気てる苔むした立ってるルンゼだった。ピンもないし、岩も脆い。滑落しろといわんばかり。外傾したスタンスは乗るな、チビカチに乗り込め。最後の雄たけびをあげ無事終了点に到着。セカンドを迎えて13:15。靴を履き替え、踏み跡を辿る13:38、なかなか明瞭だ。グレ子さんは木登りだと聞いてたので、ここでの雨も心配してた。ガスもなく目視でき安心。ハイマツやら藪こぎも大変だったが夜露が気持ち良い。

14:55屏風の頭に到着、ヒュッテも小屋も見えた。ここからは実線の一般道。まだ降られず。休憩もそこそこに先を急ぐ。

15:38パノラマコースとの分岐。一応確認「徳沢じゃなくて涸沢で良いんだよね?」「もう降るし涸沢に行こう、でも北尾根は行かないよ」釘を刺された。あとちょいで降られたが、樹林帯とパラパラ程度で雨には当たらず、

ヒュッテ16時半到着。テラスで生ビールで乾杯した。雨との競争にも勝ったが、初のルート登攀の達成感に酔いしれていた。途中で雷雨にあったら、どうなってたかは想像に難いが、今は信頼感のもとがっつり握手を交わす。


9/9

11時のバスを目指し5時半発。今日も快晴、朝焼けが綺麗だった。宿泊者はみな穂高連峰を拝んでるが、私たちは屏風の頭・耳にうっとりするのであった。9:45アルペンホテルで汗を流し帰路についた。グレ子さん、わがままにお付き合いいただき感謝致します。今後もわがままにお付き合い願います。お疲れ様でした。

(記 たまきち)