山行記録/個人山行/2009-02-21/八ヶ岳・石尊稜

Last-modified: 2010-03-16 (火) 23:25:06 (3072d)
山域八ヶ岳・赤岳 天狗尾根
日程2009年 2月 21日
メンバーL.こーさか、グレ子

コースタイム

2/20 美濃戸(13:14)-(16:52)行者小屋 雨のち雪
2/21 行者小屋(07:47)-(08:11)登山道からの分岐-(10時頃)石尊稜取付-(15:04)中間部雪稜-(16:05)山頂-(17:48)行者小屋(18:50)-(21時頃)美濃戸 快晴 強風のち微風

記録:

2/20 朝から雪予報だったのでJR小淵沢駅で仮眠の後、美濃戸口に着くとしかし雨。めげて一度小淵沢まで引き返し、それでも昼には美濃戸まで車で入って行者小屋まで歩いた。悪天の平日でテントは我々のみ。小屋脇に張らせて貰い、張り綱を柱で固定した。翌日の予報は晴天だが風が強いらしい。

2/21 携帯で調べた天気予報では午後に遅くなるほど風は収まるようだ。テントを畳んで登攀に不要なものは残置し、稜線で吹かれたら引き返すことにして出発する。
鉱泉に向かう途中で、すれ違ったガイドさんから前日に石尊の取り付きを誤ったパーティーがあったことを聞く。
中山乗越からの九十九折れを降りきると橋が見え、そこから沢筋にトレースが伸びていた。これに違いない、とトレースを追う。しばらくすると小同心が近くなり、間違いではと思う。一度空身で引き返し他のルートを探るも、中山尾根があるばかりで他に詰めて行く沢は無い。再びトレースを追うと尾根の先端があり、トレースは左に向かっていた。ここで石尊の山頂が雲間から見えた。

toritsuki320.JPG

正面の尾根を右に回りこむ。

間違いない、ここを右だ。そこからは新雪ラッセルとなり、酷いところでは腰まで潜った。更にその先に石尊稜の先端を右に進み、左手にルートがあるはずであろう場所に出た。ここで去年登った草付きの壁が見つからない。もっと先に詰めるのかなぁと思って、ルンゼを登って行った。足下の新雪が崩れ、露岩が現れる辺りで、こんなに高度を上げたはずはないと気づき、左を見るとなんとなく記憶に残る1ピッチ目を切った木が見える。とりあえず安定したところまで直上したいのだが、ここでグレ子さんに先頭を交代してルートを探って貰った。
人が行くと行けそうな気になるもので、それでもグレ子さんがガリガリと登ったところより雪の多いところにステップを切り直し、立派な木の支点で合流。後で調べたら、このルンゼを詰めるのも一つのルートらしい。ただし途中で支点は全く取れないのでフリーで登ることになる(えぇ、なりました)。

gully320.JPG

「右のルンゼ」を上がってきてしまって見下ろす。

この時点で11時。1ピッチ目と2ピッチ目を終えた換算だから、時間は大丈夫と思った。下を見ると後続が見え、そのうち4人はルンゼに入らずに左の稜線(上から見ると右)に上がり、通常の1ピッチ目取り付きに向かったよう。
さて、去年は1ピッチ目の印象ばかりが強くてこのあたりは覚えていない。ロープ出したっけ?って位。しかしリードのグレ子さんは大分悩んで登って行った。フォローするとピックが刺さらず悪い。去年、日和田でまるおさんから教わったドライツーリングの要領で、ピックはちょこんと乗せるだけ。なんとも神経質なピッチになった。終了点は立派なペツルが打ってあったが、去年はピッチの開始からもっと左から上がったかもしれない。

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今回の1ピッチ目。上の露岩が渋かった。

2ピッチ目もグレ子さんがリード。壁の状態は相変わらず。25mのあたりでロープが出たり戻ったり、土屑と雪がパラパラと落ちてくる。暫くしてからビレイ解除のコールが聞こえた。追って行くと岩壁の手前でビレイしているグレ子さん。この岩壁を直登し、クライムダウンを繰り返したそう。

pitch2_320.JPG

2ピッチ目もガリガリ、スタンス小さめ。

ビレイはそのままで私が安定したビレイ点を探しに上がり、左にトラバースして木に支点を取る。なんとなく記憶が戻ってきた。ここは左からだ。グレ子さんを迎えていると1パーティのリードに抜かれてしまった。グレ子さんのリードは順調にロープが伸び、「あと5m」のコールも届かなかったようでロープ一杯になってしまった。こりゃ詰まったなーってことで、セルフを解いて簡単なところを3mほど登り始めると、ロープが少し出てから流れが止まった。どうやらビレイはされているようなので簡単なピッチを詰める。ビレイ点より少し先の平らなところまでロープを伸ばし、ビレイ解除。

pitch3_320.JPG

稜線の左から易しいルートを上がる。

ここからは雪稜なのでロープを一旦仕舞う。風が予想より穏やかで助かる。空は青黒いくらいで、樹氷とのコントラストが鮮やか。

ryousen_320.JPG

中間部のリッジが美しい。

快適な稜線を歩き、そのまま上部岸壁に突っ込んで行く。丸いホールドやスタンスはしっかりしているが、落ちたら怪我で済まないかもしれない。ダブルアックスで処理した下部と違い、アックスは離して手で掴むことが多くなる。緊張してグレ子さんを追って行くと、ピナクルにスリングを掛けてくれていた。ちょっと立っている所だったので、ハーネスに連結してセルフを掛け替えるかたちで登った。そういえば去年はロープを出したっけ。
最後は幅が広くて傾斜の緩い草付きを登り、石尊の山頂に出た。雲ひとつない快晴。既に16時を回っており、低気圧は去って行った模様。風はとても穏やか。

peak320.JPG

(随分と時間を掛けて踏んだピーク)

水分補給だけで下山開始。途中、何度もルートミスをしながら地蔵尾根まで辿り着く。真っ赤な小同心、大同心が美しい。行者小屋に着けばもう安心。オバラさんにヘッ電下山になることを連絡し、ゆっくりとパッキングして、道の明瞭な赤岳鉱泉経由で美濃戸に向かう。時々ヘッ電を手で隠して見上げると、月の見えない冬の星空が美しい。
駐車場に到着すると車のドアは凍っていたり林道の凍結箇所はツルツルだったりしたけれど、最後の核心、美濃戸口手前の坂の運転も無事に登り切り、日付が変わる頃に帰宅した。

抜いて行ったパーティーに依ると今回の状況は雪が多く悪いとのこと。自分の去年の経験と比較すれば、下部は新雪が多く、立ったところでは雪や凍結が全く無く悪い。少なくとも取り付きは違っているわけで、自分たちがロープを出した1ピッチ目、2ピッチ目は難しいルート取りで、それに後続を引き入れてしまったのかも。 取り付きは自分でトレースをつけたので、多分次回は間違えないかな。(こーさか)