山行記録/個人山行/2009-02-07/大谷不動

Last-modified: 2010-03-16 (火) 23:25:03 (2902d)

山行記録/山行一覧/2008下期

山域大谷不動
日程2009年 2月 7-8日
メンバーまるお、Sおじさん、Shoko嬢、ukkyさん、I嬢(立川山岳会)、Oshitariさん(チーム84)

記録

 3年振りの大谷不動へ行ってきました。これまでのアイスの中で一番気合の入ったクライミングが出来て本当に良かったです。

 アプローチは3年前に通った峰の原スキー場の駐車場からではなく、須坂青年の家から出発です。不動尊までのアプローチは2時間ほどで、下るだけなのでほとんど疲労しません。他にもチーム84のメンバーが6名ほどくる予定でしたが、朝出発で渋滞にはまり到着が遅れるとのことで日帰りの忍足さんが我々のパーティと合流し6名で出発しました。

 大谷不動尊へ到着すると先着2パーティが屋根の下に幕営していた。僕らは木の下にテントを張り、先ずは本流方面へ出発。一ノ滝で先行4名入っていることが判ったので、一ノ滝で遊んで時間つぶしでもしていこうかと思ったが、一ノ滝を巻いてそのまま真っ直ぐ上へ雪面を上がっていく。菅原さんが右だ右と言っているので、本流の右にマイナーなルートがあるのかと思ったが、登っていくと見えてくる滝は決してマイナーな滝ではない。まさか!と思ったが、これが左岸壁右ルートだった。今回登ろうと思っていた左岸壁に初日に来てしまうとは、自分としても気持ちの準備が出来ていない。でもすでに目の前に左岸壁はあるので登るしかない。

P1030834.JPG

 登るならば、ぜひオンサイトを狙いたい。菅原さんに断わって先に登らせてもらうことにする。誰かが登った次に登ってしまうとフッキング跡などができ、確実にグレードが易しくなるので自分では登ったという気分になれないからである。

 この滝を登る際はしっかりオブザベーションをした。なんせこのルートは正真正銘の叉蕕澄K猴支天の叉蕕箸呂錣韻違う。最初のスラブを登ったら滝の側面へまわり込み、氷結のしっかりした垂直部を登る。その上はつららのルーフとなるので左へトラバースし正面へ出てから直登する。オブザベ通り行けば登れるだろうと自信はついた。 準備も整い、腕をグルグル回し深呼吸し、オブザベのイメージを何度もリプレーしていざ出発。

 登りだすと、珍しく菅原さんからスクリューを多めにとっていけとアドバイスをいただく。垂直部が核心なのでその前後は確実にセットすることをイメージに取り込む。順調に下部を進み核心の垂直部では疲労が溜まり持ち替えレストが入った。オブザベではここをクリアすればもう安全圏と思っていたが、実はトラバース部分が一番の核心だった。トラバースの際、乗り移る時の左手フッキングポイントが雪が凍った部分しかなく、落ちれば間違いなくかなり振られる。しかもその上はワンクッション段差をおいてまた垂直部となるので体勢が狭く難しい。

P1030808.JPG

 アックスにはあまり荷重を掛けないように、荷重分散して急な変動が起きないようにそーっと移動する。核心部は抜けた。あとはスタンスがある易しい垂直部分のみ、気が楽になった。上からはスノーシャワーの量が多くなり、ちょうど雪が集まる位置に居るため、顔面に雪が多量に積もる。手で雪を拭いながら登る。アックスは硬く締まった氷なので安心できる。滝の上部は雪が多量に積もっていて、乗っ越すのにひと手間掛かったが、念願の左岸壁右を完登できた。フォローの林さんと忍足さんを引き上げると、林さんはここが左岸壁右ルートだということは知らず、本流だと思っていたらしい。しばらく話しているうちにここは右ルートだということが判り、右ルートへ行くようだったらテントで休んでいようと思っていた位なので、相当ショックを受けていたようだ。

P1030828.JPG

 F2は日当たりが良く暖かいというより暑い。F1に比べたら明らかに易しいが一応垂直の氷なので控蕕らいある。F1を登った後なので、かなり簡単に感じる。ここは後続もしばらく来ないので忍足さんのリード練習をすることになった。(寒かったらさっさと登って終わりとするが、ビレイポイントは暑く?居心地が良かったのでのんびりビレイする) 氷質は強風で雪がはりつき凍ったような状態で、真っ白で脆そうだが案外丈夫でモッタリした刺しやすい氷。忍足さんにアックステンションの方法など説明し、疲れたら十分レストして登っていくよう伝える。中間辺りから要領を得たようでスクリュー間隔も均等にテンポ良く登っていった。下降は50mx2で2ピッチでF1取り付きに戻った。帰りに一ノ滝の水を汲んでテントへ帰る。(水は要加熱)

P1030839.JPG

 今日の大谷は異常なほど暖かく、夜のテント内ではガスをつけると暑くて蒸し風呂のようだった。以前、大谷に来たときはものすごく寒い場所という印象が嘘のように思える。テントで宴会を終えた後、もう夜も遅くなったので最後のトイレを済ませた帰り、不動尊の土間を覗いたところYCCの佐野さんらの焚き火に入れてもらえたので、さらに深夜まで大谷の宴会は続いた。

 今日の帰りに見た夕日に照らされる左岸壁左ルートは、とても野性的な滝に見えた。滝の上部にさらに盛上がった氷柱が重なっていて、ルーフのようになっている。相当難しい登りになるだろう。今度来るときはこの滝を目標にしようと思う。

P1030845.JPG

 翌日は本流へ向けて進む。84のメンバーが先に取り付いていたので渋滞が予想される。メインの二ノ滝は右が傾斜が緩く、左は垂直部が10m程ありけっこう難易度は高い。二ノ滝はあまりに混雑しているので、僕と岩本さんで右側壁へ行くことにした。右側壁の氷はいつも通りツララが左右に大きく広がり褐色で独特の雰囲気がある。2ピッチで終了、ロープは50m2本でギリギリ1ピッチの懸垂で下りれるので手軽である。この滝は前回も登っていることもあって気楽に取り付ける。相変わらず硬く垂直の氷であるがスクリュー3本で登り切る。1ピッチ目の終了点はスクリューとアックスで形成する。問題は支点を形成する場所で今回も落氷が集合する場所に作ってしまった。ここはちょうど段差があり足場が良いが、もう3m上へ登って若干ハンギングビレーで疲れる場所に形成した方が良い。2ピッチ目を登りだすとビレイヤーはもろに落氷を受けてしまう。案の定、岩本さんには多量の落氷を浴びせてしまった。申し訳ない。こんな時は氷の表面を優しくコツコツ叩いて穴を開け、静かにフッキングすれば落氷は少なくなる。氷を如何に壊さず登るというのも、自分にとってはこれから習得すべき技術だと思う。岩本さんもストレス無く登ってくるのがすばらしい。さすが菅原塾はスタンダードが高い。

P1030851.JPG

 続いて渋滞が解消した本流の二ノ滝へ戻る。菅原・斉藤ペアはちょうど三ノ滝を登っているようなので、僕らは二ノ滝の1ピッチ登って終わりとする。ここも前回登っているので気楽に登れた。大谷不動も余裕を持って登れるようになるとアプローチも良いことからゲレンデ化もありかなと思う。しかし大勢の人が来てトップロープが簾状に掛かっている大谷不動は想像したくない。いずれそんな時代が来るかもしれないが、現在は一定以上のレベルの人がモラルを守って遊ぶ場所と認識している。そんな大谷不動が今後も続いてほしい。

P1030853.JPG

 ビレイ中に気付いたことだが今日は気温がある程度低いのでロープの凍結が一部あった。(凍結は毎回あることだが・・)  今回は本流で使った僕のドライロープ(エーデルリッド)と斉藤さんから借りた非ドライ加工ロープ(エーデルワイス)を比較。冬のクライミングでドライロープ以外を使ったことがないので非ドライ加工ロープがどれほど凍るものか興味があった。結果としては非ドライ加工ロープは想像以上に凍りロープ中心まで凍っている様子、セカンドのビレイでATCガイドを使った感想はもう使いたくないというほどだった。ロープの凍った部分は体重をかけて引っ張らないとビレイ器を通らないほど固く、クライミングよりむしろビレイの方が疲れた。  すでに非ドライ加工ロープの人はNIKWAX社のRopeProofがお勧め。ちなみに僕はグローブの革の部分に同社のFabric&LeatherProofを使用しているが、かなり良好である。