山行記録/個人山行/2008-08-13/北アルプス・槍ヶ岳 北鎌尾根

Last-modified: 2010-03-16 (火) 23:25:01 (3074d)
山域北アルプス・槍ヶ岳 北鎌尾根
日程2008年 8月13日-15日
メンバーこーさか(単独)

コースタイム

8/13 中房温泉(06:26)→(09:07)燕山荘→(12:07)大天井ヒュッテ(12:41)→(12:57)貧乏沢入口→(15:05)天上沢出合→(15:20)北鎌沢出合
8/14 北鎌沢出合(04:53)→(07:02)北鎌のコル→(09:18)独標→(12:26)北鎌平→(13:20)山頂→殺生ヒュッテ
8/15 殺生ヒュッテ(05:52)→(11:23)上高地BT

記録:

(8/13) 前夜の電車で穂高駅に入り、駅舎の外で仮眠。朝5時のバスで賑やかな中房温泉に移動し合戦尾根を登る(前夜飲みすぎでヒドい二日酔い)。

route_day1.jpg

(燕山荘のあたりから - 晴れたのはこの日だけ...)

大天井ヒュッテで大休止の後、トラバース気味の登山道が稜線に掛かるあたり、ヒュッテから15分ほど歩いたあたりで貧乏沢入り口の看板を発見した。這松の藪を少し漕いだらガラガラの涸沢に出て、そのまま沢筋を下って行く。疲れた足には随分と堪え、午前中に稼いだ標高をなんで午後に下りきって明日また登らなきゃならないのだろうと、何か不条理なモノを感じてしまう。途中で、北鎌は何度も来ている関西弁のおっちゃんが追いついてきて一緒に下る。雪渓も少しは残っていたが、軽く巻くだけで困難はなかった。ただ、時々やたらと滑る岩があり、北鎌尾根がこんなだったらと不安になる。

binbosawa_day1.jpg

(ガレガレの貧乏沢上部)

天上沢には15時頃に降り立ち、そのまま上流に向かうと北鎌沢出合には既にテント村が出来ていた。その後も貧乏沢下降や天上沢下降の両方のルートから人が集まり、広い河原に10張のテントが広げられた。なお、そのうち単独は6名ほどのよう。明日登る北鎌沢右俣を観察し、テントの近かった3人で日没まで宴会になった。

(8/14) 3時起床。日の出前に何組か出発したようだ。5時前に出発し、水が涸れる前に直ぐに4.5Lの水を汲む(水は2,100m付近が最後だった)。先行Pを追い抜いてルートファイしていったら、少し左に寄りすぎたようでザレ場に出てしまった。たしかに右に分かれる流れがあったけれど、角度がないから合流すると思っていた。ザレが酷くて直上できないので、草付きを掴んで右に移り、潅木帯に突っ込んでからどうやら正しい右俣に戻り、すぐに北鎌沢のコルに出た。振り返ると、皆まちまちのルートで登ってくる。

コルからは踏跡があったり這松を掴んだりで、岩登りというよりは薮尾根に近い感じ。周囲はガスに覆われていて先のルートが見えないがルートミスの不安はなかった。次第に岩稜歩きになるがどこが独標か分からない。途中で4人Pがロープを出して「ここが独標だよね」と言っていたが、どうやらまだらしい。後ろからきた昨日のオッチャンが「右が登れる」というので取り付くと4人Pの直ぐ脇に楽なルートが見つかった。

そして独標。オッチャンが先行し、右側にトラバースしてハングした岩を潜った先で稜線に向かって真っ直ぐに上がっていった。ここで一緒になった2人はトラバースを続けるというが、登った方がむしろ簡単という話も聞いていたので、オッチャンを追って、しかし途中で左に戻るルート取りをして稜上に出た。剥がれやすい岩が多いのでホールド・スタンス選びには気を遣う。私の登り方が余程不安だったのか、このオッチャンは稜線で待っていてくれた。

to_doppyo_day2.jpg

(独標を右に巻くルート。被った岩を潜った後の左。私は画面左にルートを取った)

doppyo_day2.jpg

(一応、独標なんです)

climb_down_day2.jpg

(独標からの下り、登りより緊張する)

独標から下りでトラバース組と合流してから、ザレ場ガレ場 で非常に悪い。私は付いて行けずにまた単独行になる。全体に登りより下りが難しい。昨晩一緒に飲んだお兄さんと前後して、先行した方が「こっち行けそう」「無理臭い」と助けあってガスガスの中を進んだ。兎に角迷ったら稜線へを心がけ、直登出来なくて右にトラバースしても行過ぎないようにし、稜線に戻るルートを見つけるようにした。

自分が何処にいるのかサッパリ見当が付かない。時々降っていた小雨の間隔が短くなってきたので休憩はあまり取らずに急ぐ。

北鎌平まで来るとフリクションの良く効く岩が増えてきて、岩が濡れてきたのでこれは有り難い。そしてあれっという感じで下のチムニーに到着。途中で抜き返された4人Pが取り付いていたが、ロープを出すとのことで先に行かせて貰うことに。下のチムニーは危なっかしい残置スリングにA0してしまう。続く上のチムニーでは雨が強まるが、残置の垂れる割れ目に入り込まずに右のフェースが気持ちよく登れた。

peak_day2.jpg

(チムニーを越えて山頂直下。小槍すら見えなかったよ)

雨の穂先では拍手で迎えられることもなく、写真だけ撮ってそそくさと下山を開始する。殺生ヒュッテに向かう途中で雷雨となり、今日はここで幕営。今日中に抜けられて本当に良かった。

(8/15) テントを撤収するときは小雨だったが、標高を下げるにつれて太陽が見えるようになってきた。満足感に浸りながら上高地まで早足で降りた。


予想していた通りの体力勝負はアプローチと甘く見ていた初日から始まっていた。私は初日の疲れを引きずったまま二日目を迎えることになり、これが下りでペースを落とすことの一因だったと思う。ルート取りは安易にトラバースで逃げるとザレ場に突っ込んで却ってハマる(そうなっているパーティーが居た)。簡単な岩場でも絶対に落ちない技術と自信が重要と感じた。軽量化したつもりの装備は初日に水無しで18kg。もう少し気を遣えば二日目の行動開始で20kgは切れるかも。