山行記録/個人山行/2008-01-27/八ヶ岳・摩利支天大滝

Last-modified: 2010-03-16 (火) 23:24:58 (3015d)
山域八ヶ岳・摩利支天大滝
日程2008年1月27日
メンバーL.HM,TY,TT,YT,ND

 記録

年末に購入したバイルの筆おろし山行。向かう先は、HMさん選定の魔利支天大滝。何やら難しいらしいが、そこは筆おろし。とにかく楽しみなのである。 駐車場を出発し、踏み固められた雪の登山道をしばし歩く。大滝への分岐は小汚いタオルが目印らしいが、とても分かり辛い。ぷちラッセル、沢地形を登ると小滝があるではないか。HMさん曰く、半分は埋まってるとか。「掘りましょう」真剣に提案したのだが、この滝は偽物だった。(ここだけの話、Mさん人が悪いかも…) 小滝は4~5mか、リードする?と言われるが、落ちても下はフカフカの雪なのでロープ無しで大丈夫と答える。登り始めたのは良いが、バイルが刺さらない。振り方を教わるがバイルが決まらず、しだいに指先が痺れるーのであって、カモン、ロープなのである。フフ、さすがはビギナー。

本物の大滝は青白く凍てつきカッコいい。しかも貸し切りである。(後にもう1パーティ現れるけどね) HMさんのリードお手本を拝見した後、順次、トップロープで取り付く。 やはり、バイルが刺さらず登れない。下に降り、隣の小滝でHMさんよりバイル振り講習を受ける。インパクトの直前の手首クッである。以降、トップロープ→バイル振りクッ→トップロープを繰り返し、終盤、ようやく滝の八分目くらいまで登れるようになった。氷が柔らかくなったのかもしれないが、バイルの振りが改善されたことが大きい。すべてHMさんのおかげ様である。ありがとうございます。

最後まで登れなかったのは、パンプしてバイルが振り切れないことによるもの。今のままではセカンドも務まらない。ましてや、リードまでの道程は長そう。などと言っていても登れるようになるわけではないので、まず、バイルの刃を研ごう。モノポイントも欲しくなったじゃないか。リーシュレスじゃないとお手手に血が…、スクリュー高価すぎ等である。

HMさんはじめ、みなさま、楽しい時間をありがとうございました。(ND)

(これより丸山・記)

 僕自身、今年はたいしてアイスへ行けていなかったし、フリーもあまり行っていなかったけれど、シーズンインしてからアイゼントレと簡単なアイスへ行っていたので、そこそこのところへは行ける感触でした。

 いつだったかな?谷川へ行ったときの帰りの風呂でドギーと話をしていて、もうすぐアイスのシーズンだとかアルパインの話をしてたとき、なんとドギーさん一度も使っていないアズター(Petzlのアルパイン・アイス用バイル)を持っているとのこと・・このままじゃ使うところないじゃんーって話になって、じゃあ今度アイスへ行こうという話になりました。

 ということで前置きは長くなりましたが、どこへ行こうか結構迷い迷い。。月に1度しか山へ行けなく、しかもアイスのベストシーズンとなると1,2回しかない。どうせ行くなら参加者全員が到底行くことはできない場所へ行こうと思った。なぜならば難易度が高いアイスのエリアほど美しく荘厳な風景が見れるからである。今回の山行はそんなドギーの為に組んだスペシャル山行なのである。

 当日の美濃戸の気温は-15℃かなり温度は低いが、ここまで寒いとドライコンディションなので汗さえかかなければ、さほど寒くない。僕は去年から、かなり完璧に近い衣服のレイヤリングを発見した。上半身はアンダーアーマーのメタルコールドギア1枚にポーラテックプロのフリース、下半身はモンベルのタイツにゴア1枚のアウターパンツ。これだけでドライコンディションならば問題なし。風が吹けば通常のアウタージャケットを着るのみ。完璧。

 今年も摩利支天への道は間違ったルートをつけられていた。(行者小屋へ行く登山道の一部)危うく迷いそうになり、先行者がつけたあちこちに入り乱れるトレースを跨いで摩利支天の出合いに着いた。そこへ行けばわかる・・という、なんとも表現し難い出合いの風景。どうやら先行者はここ数週間は居ないようである。膝下程度のラッセルで40分くらいだろうか。(去年は大雪大寒波の日にここへ来て身長ほどで3時間のラッセルをした)滝に近づくと5mくらいの小さなスラブ滝が出てくるが半分くらい埋まっていた。ドギーにこの滝が摩利支天大滝だよと言ったら。すんなり納得している。シメシメ。(こんなショボイ滝ではない・・) 先方に目を凝らすと木に隠れながら微かに大滝が見える。自分でも驚くくらい発達して垂直部分が多かった。今日は難しいだろうな・・と思いながらラッセルラッセルしかしパワーセーブ。

 ショボイ小滝の下でアイゼンを装着し順に上へ抜けた。やはりいつ見ても摩利支天大滝はカッコイイ。しかし今日はリーシュレスのリードなのでちょっと緊張である。

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 滝の前に立ったとき、来てよかったと思った。カッコイイ。この日の高さは約25mで出だし5m登った後15mほど垂直部で最後の5mはスラブ。いつも氷柱の裏に回りこむことができ、氷の裏で支度をする。晴れた日はリゾートの海のようなライトブルーの氷の部屋となる。氷の状態は登ったラインはブルーアイス、左にずれると水分が多く、バイルの刺さりは容易になる。ただし安定感はイマイチ。とりあえずリードしてトップロープを張らねばっ。

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 写真で判るように、今回はかなりスクリューの間隔が短い。いつもならば身長の高さでスクリューをセットするが、前にセットしたスクリューが自分の足元に来たときに次のスクリューをセットしている。つまりいつもの2倍セットしている。これはやはり怖いからであるが、スクリューセットは非常にパワーを食われるので、登りきるためのパワーも消耗していることになる。成功と恐怖のトレードオフである。 垂直部を半分過ぎたあたりから僕の両手はずぶ濡れになった。かなり苦戦している上に上部から水滴が落ちてきているからである。次第に両腕は厚手のグローブをはめたように鈍く重く感覚が無くなっていく。もうひと踏ん張りスクリューをセットしたところでアックステンション(バイルを打ち込みグリップ部にフィフィをセット)となってしまった。不覚にもこれまでアイスをやってきて初めてのことだった。気を取り直してさらに高度を上げ、ようやく垂直部は越えた。でも全力を尽くせたので十分満足のいく登りだった。終了点にトップロープをセットして無事下降終了。これからは気楽にアイスが楽しめる。参加者を順に登らせ、この日は貸切状態で5人で全員5回くらいは登れたと思う。通常このようなルートでは5人で2回が限度であるので十分に楽しめた。

 自分もトップロープで登ったら数分で登りきってしまう。ものすごく快適に登れる。リードの時が嘘のようである。よく僕は誰かにアイスを教えるとき、リードする時はトップロープの3倍の力が必要だと言う。しかしこのときは5倍は必要であるルートだと確信した。つまりフォローだけやるならば叉薀襦璽箸任發△訥度登れれば問題なしということである。アイスは、はじめ難しいと思われ易いが、経験者を引っ張り出せば誰でも楽しめるので、これからも気軽に声をかけてほしい。

 帰り道、よく晴れた八ヶ岳はとてもいい雰囲気だった。

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