山行記録/個人山行/2007-02-3/赤岳東稜(敗退)

Last-modified: 2010-03-16 (火) 23:24:40 (3199d)
山域八ヶ岳・赤岳東稜
日程2007年 2月 3日 - 2月 4日
メンバーL. AO, TT

コースタイム

2/3 7:40ゲート発→8:40県境尾根分岐→9:00/9:10(1,950M付近)→10:05/10:15(2050M付近)→11:45/12:15二股→13:15/13:30(2450M付近)→15:00(2500M)→15:46BP(2650M)

2/4 4:30起床/8:00出発→第一岩峰取付発8:40→10:56第一石峰最上部にて撤退決定→BP地/12:35→二俣13:20位/14:00→16:00ゲート着

天候:3,4共快晴・但し3日の夜は降雪(20〜30Cm位)

積雪量:東稜末端からBPまではワカンをつけて膝下位

赤岳東稜は八ヶ岳でもマイナーなバリエーションルートで「アルパインクライミング」(山と渓谷社・遠藤晴行著)で初めて知った。初級ルートの天狗尾根と中級ルートの旭岳東稜の中間位のイメージで旭岳東稜の前哨戦として昨シーズンから狙っていたルートだ。

行動記録

当初予定では小淵沢にステビバして早朝のタクシーで出発するはずであったが、高崎線の事故のおかげで特急に乗り損ね、小淵沢駅泊まりとなった。代わりに十分な睡眠と暖かい朝食を摂れたので±0。予定より45分遅れで小渕沢駅を出発した。

東稜は県界尾根と真教寺尾根の中間に位置する。大門沢を遡って二俣から東稜末端に取付くルートと真教寺尾根上部でトラバースして取付くルートがあるが、我々は前者を択んだ。

2/3 大泉清里スキー場上部の林道ゲートから歩き出す。気温は低いが空は抜けるように青く晴れわたり、日差しを浴びていると春の陽気。案の定、30分も歩かないうちに服を脱ぐ。ついでにワカンを装着する。スキーのトレース跡を辿っていくと、県界尾根との分岐に出て大門沢沿いのルートを取る。沢沿いに左岸を歩くと堰堤がいくつも出てくる。地形図上は1850m付近が最後の堰堤であるが、その上も堰堤は続く。

赤岳東稜1.jpg

大門沢沿いの林道を歩く。素晴しい天気だが堰堤が多くて興醒め。

地形図で東尾根を探すと判るが、非常に分かりにくい地形になっている。WEBを見ても枝沢に入り取付きに至まで時間が掛かりすぎて敗退している記録が幾つかあったので慎重にルーファイしながら進む。最後の堰堤を越えるところから右岸を進む。ワカンを付けて脛辺りの積雪だが嵌ると腰まで潜る。沢筋ではあるが沢が広く浅い為、沢を歩いているんだが雪原を歩いているのか判らないような地形だ。

赤岳東稜2.jpg

沢なんだか、雪原なんだか、このルートで良いのか・・・

二俣には目標にしていた昼前に何とか着いた。大よそ標高2350m。WEBの記録写真で見るより切り立った様に思うのは積雪が少ない為か。ここだけは雪崩に気を付けてすばやく抜けて右俣に入る。少し進んで急な左斜面を無理やり登る。登る先から雪が崩れてしまい非常に登りにくい。

赤岳東稜3.jpg

待望の二俣。

赤岳東稜4.jpg

右俣に入って適当な斜面から東稜に取付く。

東稜末端に取付くと意外にも広い尾根で傾斜は緩い。ここなら整地すれば良いBPになると思うが明日のために先に進む。トレースも赤布も無い樹林帯を登るが積雪は膝下位。徐々に傾斜が増していき、登るスピードが急激に落ち始める。文字通り「ヒーヒー」しながら登り続けるが樹林帯は終わらない。

赤岳東稜5.jpg

東稜下部にて。樹林帯をひたすらラッセル。

地形図から第一岩峰は約2550m位と見当を付けていたが、尾根は狭まり急傾斜になるものの全くその気配なし。一本取って上を見ると巨大な岩が見える。第一石峰か?と思ったが小屋が見える。赤岳山頂だ・・・。「もしかして間違えて違う尾根を登っちまったんじゃないだろうな?」と恐ろしい想像をするが時間も16時近いので、ようやく疎らになった樹林の間を上り詰め比較的広く緩やかな斜面を削って整地した。今回のテントはTTさんの4−5人用ゴア・エスパース。整地面積が足りず谷側が宙に浮く様な恐ろしい設置となってしまった。 夕食は二人の定番、アルファ米にレトルトカレー。寒くてガスは寝るまで付け続けた。

2/4 4:30に起床すると思ったほど寒くなく、テントを空けると雪が落ちてきた。昨晩は降雪だったらしく、明方になってもガスって視界が無い。ここが東稜であると今では確信しているのでここまで来て撤退は嫌だ。しかし視界の無い中突っ込むのはもっと嫌だ…。外をチラチラ見ながら朝食を摂る。日が昇れば天候も変わると信じて身支度を整え撤収するが、出発できたのは8:00。毎度のことだが4:30に起きた意味無いじゃん。

第一岩峰帯までほとんど雪壁のような尾根をアイゼンでラッセルする。思ったよりデカイ。

赤岳東稜6.jpg

第一岩峰目指してラッセル。スッカリ日が高くなってる(汗)

赤岳東稜7.jpg

ここまでも結構な急斜面。

取付きでロープを出してルートを検分する。「第一岩峰帯は左から巻く」とどの記録にもあるが、どの辺まで行ったところから巻くのかがハッキリしない。岩峰帯左寄りの溝(ルンゼ?)が登れそうで上で岩峰のバンドを右上出来そうに見えたので、AOトップでスタート。のっけからグズグズの雪に苦労する。潅木に支点を取りながらダマシダマシ登っていく。25m程上がったところで潅木に支点を造りビレイする。セカンドで上がってきたTTさんも「こりゃ大変だ」と呆れた様子。上がってみるととても岩には取り付けそうも無いのでTTさんには左へ巻いてもらう。ナカナカ苦戦している様子でロープが延びていかない。進み始めると今度は止まらず、ロープ一杯ギリギリでビレイ解除のコール。フォローするとこれまた「良くこんなトコ登ったね」というような嫌らしさ。ビレイポイントまではゼーゼー言いながら登る始末だ。

赤岳東稜8.jpg

第一岩峰2ピッチ目。TTさんに左へトラバースしてもらった。

トップを変わって雪稜まであと25m程度の雪壁を登り始めるが、輪を掛けた様に雪質が悪くハイマツを掴み無理やり登ってもズルズルと足元が崩れていく。こんなところで万歳ラッセルをする羽目になるとは思わなかった。安定した足場で上を見上げると雪稜まですぐそこだ。でも時計を見ると11時近くでここまでで2時間以上費やしている。この先雪稜を通過して第二岩峰は更に急傾斜になっている。同じような雪質だった場合、第二岩峰を抜けて稜線に出るのは16時近くになるのは必至だ。年末下山遅延した天狗尾根と丸っきり同じパターンンではないか!ヘッデン下山は別に構わないが帰京できないのは不味い。スゴク不味い。TTさんには申し訳ないが撤退を決めさせてもらった。紺碧の空に雪稜が眩しく映る。あの上を歩きたかったな。

赤岳東稜9.jpg

撤退を決めた時に撮った写真。雪稜まであとわずかだったのに・・・

撤退はクライムダウンを試みるが二番手が怖すぎるので懸垂下降を3回繋げた。懸垂していても雪に腰まで埋まりかける。どうやらここらで私は腰に下げていたアイスアックスを落としてしまったらしい。一昨年赤岳主稜の帰りにアイスバイルをなくしているので赤岳の東西でダブルアックス一式を無くしたことになる。ヤレヤレ…。

赤岳東稜10.jpg

懸垂下降で撤退。この辺でアイスアックスを落としたのかな?

テンバ跡に戻って一息つくと二俣までは一気だ。二俣から林道ゲートは傾斜が緩い分、下りでも時間が掛かり終わりの方では疲れ果ててしまった。西日に照らされた赤岳が美しい。 下山途中では「雪が締まった時期に再挑戦しよう」と話していたが、帰宅するとムラムラと再挑戦したくなってきた。負けたままでは済まされぬ。という訳で2/24,25で再挑戦することになった。今度は絶対抜ける!(AO)