山行記録/個人山行/2007-01-13/石尊稜

Last-modified: 2010-03-16 (火) 23:24:36 (3139d)
山域八ヶ岳・西面・石尊稜
日程2007年01月13日 - 14日
メンバーL.TY,UY

 記録

Tちゃんとは年末から、この日に石尊へ行こうと計画していた。女2人で雪稜登攀って、かっこいい!でも、大丈夫かな…。期待と少しだけ不安な面持ちで出発したこの山行は私達を温かく迎え入れてくれた。

1/13(土) 早朝、スーパーあずさ1号に乗って新宿から茅野へ向かう。この日は、朝から久しぶりな人達に再会する、不思議な日でもあった。 美濃戸からは重荷を背負って赤岳鉱泉へ向かう。二人という人数にテント・ザイル・登攀具…ともなるとかなりの重量。多分、25kg以上にはなっていたのではないかと思う。それなのに、少しでも早く着いて石尊への取り付きを偵察したい一心で早足で歩く、歩く。何Pかを抜く。でもバテてくる。一本の時、お互いが早く行かなきゃと焦ってプレッシャーを掛け合っていることがわかり、もう少しゆっくり歩こうとなだめ合う。でも、もう随分一生懸命歩いてしまった頃だったので、ゆっくり歩き始めた頃には赤岳鉱泉が「えっ?もう着いたの?」と驚く早さで現れ、夏のコースタイムで到着してしまった。 赤岳鉱泉のテン場に幕営すると、早速取り付きへ偵察に行く。トレースがないと、とてもわかりずらいという、石尊の取り付き。どの辺だろうね?とキョロキョロしながら向かうが、ちょうど「赤岳鉱泉⇔行者小屋」の標識があるところから、顕著にトレースが着いている。辿るとすぐに三叉峰ルンゼに出て、取り付きが見える。あれだよ、間違いない。Tちゃんは過去、石尊の経験もあるので確かだろうと偵察はあっけなく終了した。 テン場に戻ると乾杯。水も鉱泉小屋でわけてくれるので苦労がなく、嬉しい。鉱泉のアイスキャンディーに登る人達をテントの中から眺めつつ、明日を占う。夜は、ちょっぴり本格的で辛さが癖になるインドカレーを作って食す。途中、「Uちゃ〜ん」とテントの外で声がするので顔を出すと、アイスに来ていたBっちとMくんが私達を捜していた。おぉ〜と嬉しく、少しばかり話してお互いの健闘を祈る。

1/14(日) 4:00起床、6:00出発を目処に準備を開始する。朝はチャーシュー入りインスタントラーメンがやけにおいしい。撤収もないのでけっこうのんびり準備を行う。 ヘッ電を着けながら取り付きに向かう。他のPはいなさそう。それでもルンゼで1Pを抜かし、うちらがトップか?と思いきや、とんでもない。取り付きには8人程のPがいるではないか…。 取り付き直下にはちょっとした岩稜を行かなくてはならない。いきなりで緊張する。ノーザイルだし…。でも、登ってみるとそんなでもなく、いいウォーミングアップになった。登ってからわかったが、ここは左からルンゼの雪面をそのまま登っていけるルートがあった。そちらの方が、簡単で早かったと思う。 取り付き渋滞は1hに及んだ。関西から来ている8人Pが2-3-3でザイルを組んでいる。うーん、自分たちも同じような事を赤岳主稜でしているから仕方ないのだが、待ちというのは疲れる。この石尊ではこの取り付き1ピッチ目が核心と言われている。なんかそんなに難しそうには見えないのだけれど…もちろん、トップはTちゃん。やっと出番でいざ登ると、少し細かいけれど傾斜は緩いので、あまり怖さや難しさは感じない。次に行く時はトップをやれそうだと思える1ピッチ目だった。

石尊1.jpg
  核心の取り付き1P目。渋滞で1h待ち。

その後は雪稜。雪面やナイフっぽい所をつるべしたり、コンテしたりして進む。私も少しは慣れてきたのか、あまり恐怖感というのがなくなり、足で登る事ができるようになっていた。勿論、アックスも打ち込むが足で登ることがとても重要だし大原則だと足を信じてしっかり踏み込んだ。アックスの打ち込みはまだ慣れず、うまく入る時と何度も跳ね返される時があり、安定しない。これもまた回数重ねて慣れていかなくてはならないと思った。

石尊2.jpg
  下部岩稜を抜けると急な雪面をゆく。

なんやかんやと後ろからもガイドが来たりと混み合い始めた、石尊も最後の岩稜帯がやってきた。その最後の岩稜前には休憩するにもってこいの開けた尾根上の最高の眺望が得られる場所がある。ちょうどまた前Pの渋滞が始まっていたので、私達はそこで1本する。今日はほぼ無風の快晴。右には日の岳稜と中山尾根、左には大同心・小同心の絶景が広がる。中山尾根や日の岳稜には取り付いている人達が見える。切り立っているそれらは登ってみたい憧れ。Tちゃんとは近く中山尾根に行こう約束をする。これを乗り切る更なるトレーニングをしなくてはと、心引き締まる。

石尊4.jpg
  右に見えるは、日の岳稜&中山尾根。登ってるね〜。
石尊3.jpg
  左に見えるは、大同心か小同心か…。

やっと行ってもよさそうなので、最後の岩稜部へ向かう。見た目は切り立っていて結構怖い感が漂う。下部よりも上部の方がずっと核心なんではないか?と思わされる。しかし、取り付いてみると、ホールドがしっかりしていて掴みやすいのだ。強いて言えば、高度感がけっこうあるので、私のように慣れていない者にはそれが恐怖感となるだろう。でも、あっという間に終わってしまって、見た目程ではなかった。

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  上部岩稜帯へ向かう先行P。この辺りで絶景の中、1本♪
石尊7.jpg
  太陽サンサン、石尊キラキラ。すばらしいコンディションだ。

その後は、クラストした雪面をぜーぜーしながら上がって行けば稜線上の登山道に出る。石尊峰で少しお茶をし、稜線を赤岳方面に向かって歩き地蔵尾根をひたすら下ると行者小屋に出た。晴天なので、ここに着いた時はかなり暑い!私は疲れて少し遅れをとりながら、鉱泉のテン場へと向かった。 なんとか、美濃戸からの終バスに乗りたい私達は、速攻で撤収し、速攻で下山する。下りは超スピードで2hあまりで美濃戸着。終バスに間に合ったのであった。

石尊5.jpg
  女二人でかっこよかったね〜(^^ゞ

すばらしいパートナーに恵まれて行ける山で、コンディションも良く登頂できるというのは、嬉しく充実感もたっぷり味わえる。特に今回は「女2人でやった感」が十二分に味わえ、この上ない。まだまだ上は高く厳しいだろう。うまくいくことばかりでもないだろう。でもコツコツ積み上げたものが実を結んでゆくことを信じたい。 石尊は思いの外、開放感ある素敵なルートで、雪稜を志すならば1度は行ってみてほしいと思う、オススメの冬の登攀初級者向け好ルートです。(UY)