山行記録/個人山行/2006-09-23/米子沢

Last-modified: 2010-03-16 (火) 23:24:22 (2900d)
山域上越・米子沢
日程2006年 9月 23日
メンバーL:AO M:YU

コースタイム

駐車場発 7:35 → 滑沢出合 8:30/8:40 → 8×15メートル滝手前 9:30/9:45 → ゴルジュ帯突入 10:20頃 → 大ナメ始め 11:20/11:40 → 二俣と間違えた支流 12:00 → 登山道 12:45/13:15 → 桜坂駐車場 15:10着

記録

「いつか行きたい沢」が「いつでも行けるから今回はパス」になることが良くあり、米子沢はその筆頭になりかけていた。「夜行日帰りの沢」は車の無い身としては一泊二日の沢よりも行きづらい。

天気予報を毎日チェックして「行ける!」と確信出来たのが木曜日の午後。慌ててMLでメンツを募ったが、今日の明日で集まる訳も無く、YUだけがエントリーしてくれた。

ムーンライト越後で長岡まで行きステビバ。始発で六日町に戻る非効率なアプローチ。何故ムーンライト越後は水上や越後湯沢に止まらないんだ?タクシーで桜坂駐車場に着くと既に駐車場は満車状態。百名山は凄い。   肌寒いので長袖を着て、工事用作業道をテクテク登る。山は秋の空気だ。いくつか沢筋に降りる道があり、いずれも堰堤にぶつかる。「これ以上登ると沢筋から離れすぎる」ところで枝道に入ると記録に出てくる凹型の間が通れる堰堤があったので入渓する。駐車場から20分も掛からないので拍子抜けした。

沢は伏流となっていて水が無い。ゴーロ帯を30分前後歩くと最初のナメ滝が前方に見える。笹穴沢のスラブで泣きを見たYUの顔に緊張が走るのを私は見逃さなかった。このF1、安易に左に取り付いたが右の方が簡単だった様子。ヘツリにモタモタしていると単独の若い男性に抜かされる。

米子沢1.jpg

長いゴーロー歩きが終わり、ナメが始る。

4段40Mナメ滝は最初から巻くつもりであったが、少し手前で巻き始めてしまった様で、全貌を見ることが出来なかった。藪コギの様な巻きの途中で正規の巻き道と合流したが登山道のような巻き道だった。クソ。

巻きでスッカリ体が温まったので長袖を脱ぐ。全体がナメ・スラブの様な沢だが、登るルートはそうでもなくロープを使わずに登れるレベルで楽しい。YUにはお助けを出してごまかす。

米子沢2.jpg

登れる滝も多く楽しい。ここは右から登った。

米子沢3.jpg

秋晴れの中の遡行は気持ちよい。でも結構疲れる。

崩壊地を過ぎた辺りでUさんにお助けを出しながらナメ滝を登っていると、男女二人組に追いつかれる。女性に「先行に何人くらいいます?」と声を掛けられ、答えながら良く見ると、今年の6月頃?見学に来た名古屋帰りの方だった。今日はご主人とご一緒だそうで、未だ名古屋の会は辞めずに合宿等には参加しているらしい。

朝からの晴天がゴルジュ帯を前に雲が多くなってきた。こんなところで降られたら悲惨の極みだ。休憩を一回飛ばしてゴルジュに突っ込む。と、先ほどの二人の他に先行Pが更にいた。何やら写真を撮っている。人数も6人位いるので先に行かせて貰う。

ゴルジュに入って二番目の滝は、かの有名な「巻き過ぎると沢筋に戻れなくなる」滝だ。一昨年の某Pの様に石楠花の藪コギはしたくないのでルートを良く見るが、高巻きが基本的に嫌いな私にはどう見ても右から登って落口にトラバースするのが素直なルートに見える。高巻をする人はこの先のチムニー滝を見て高巻きを選択するのだろう。

米子沢4.jpg

この滝を右から高巻き過ぎて沢筋に戻れなくなったパーティー多数。

落石に注意しながら滝を越えるとチムニー上の滝が狭いゴルジュに掛かる。最初は突っ張りで少し登って左に移り、落口に向かって斜上するが、気持ちホールド・スタンスが細かく、濡れていて緊張する。落口反対側にはピンがあったので、YUにはロープを出したが、FCをやっている人なら問題なくフリーで越えられるだろう。後続の6人Pのトップは登ったが、時間が掛かりすぎると判断したのか他は巻いた様子。

米子沢5.jpg

チムニー滝。チョット緊張した。

米子沢6.jpg

もうすぐゴルジュ帯も終わる。

次の滝はかなりの落差があるが難なく右から登れる。ゴルジュ最後の滝は左のルンゼから巻き気味に登り、登るとそこはナメ天国の始まりだ。休憩なしで2H行動したので一本取る。空はいつの間にか晴天に戻り、ナメと飛沫と青空が美しい。 ナメ天国…。のはずだが、平ナメでなく、最初はソコソコ傾斜があるので慎重に登る。傾斜が緩み平気で歩けるようになるのだが、こうなると登山道を歩いているような感覚になって来る。ここまでかなりスピードを意識してきたせいもあり、一歩一歩が結構辛い。

米子沢7.jpg

ここを越えれば大ナメだ。左のルンゼから登った。

米子沢8.jpg

大ナメ。ずーとナメ。結構飽きる。

そうこうしていると左から枝沢が入る。最初は枝沢と直ぐに判ったが二番目のはそれなりに大きく、運悪く上部を登る人が見えた。「これって二俣?」「少し早すぎない?標識があるって話だけど」「でもな〜。もう飽きちゃったし…」と、「ニセ二股」を二俣と思い込み上に登っていく。結構な傾斜だ。ドンドン登るが緩む気配はない。「絶対に違うよ」「ここだよ。稜線に出て避難小屋がなかったら帰りにアイスをおごってやるよ」とUさんと賭けをする。水が枯れ、草付帯に入ると滑りやすくYUにまたもや泣きが入る。

米子沢9.jpg

詰を間違えて急な草付を登る羽目に…

ナダメすかしながら稜線に出ると登山道はあるが避難小屋は影も形も無い…。降りてくる登山者に「避難小屋はどっちですか?」と間の抜けた質問をすると「あっち」と上流を指す。ガスが出始め展望が利かないので避難小屋からどの位離れているのか確かめに登山道を登る。登りきったところは1861mPの様で避難小屋はここを下ったところにあるらしい。どうやら相当手前で詰めあがってしまったようだ。登山道に腰を下ろして行動食を貪っていると、続々と登山者がやってくる。沢装備の人もかなりいて、相当早く入渓したPがあるようだ。名古屋帰りの二人組もやってくる「?」と驚きの顔。そりゃそうだ抜いたはずの我々がいつのまにか自分達より先の登山道にいるんだから。しばし談笑。正規の二俣は明らかに「二俣」と判るもので避難小屋への道も楽チンだそうな。

遡行時間よりも長く感じられる下山をして、途中で呼んだタクシーで六日町の銭湯に入る。丁度良い電車があったので越後湯沢に行って、笹穴沢の帰りに発見した旨い焼肉屋で打上して帰京した。新幹線の中でYUにアイスを奢らされたのは言うまでもない。(AO)


米子沢はいつか行きたいな〜と思いつつ、何度となくそのチャンスを見送ってしまっていたが、やっと今回実現した。 聞いていた印象では、濡れないし難しくもなくとにかく美しい。紅葉の時期は混み混みだけれど最適とのこと。 美しいのはそのままであったが、難しくなくはなさそうだというのはちゃんと調べてみて知った。そこそこの登攀やルーファイも強いられるようだ。

晴天ということもあり、上越の開放感とナメの美しさは格別であった。でもゴルジュだってちゃんと現れて、極細の狭い流れの所では私はゾクゾクとし、あぁ早出のゴルジュなんてゾクゾクの嵐なんだろうなぁと思いを馳せる。 前回の笹穴では大ナメ滝の登攀で泣きを見、バカにされっぱなしじゃたまんねぇと、この米子ではスラブを少しでも克服せねばと密かにいきり立つ。でも怖いのではなくこの米子のスラブは息が上がるような傾斜で高度を稼がされる。 メインである最後のナメは本当に解放区って感じで、青と緑とナメのコントラストが見事であった。(ちょっと疲れるけど…) 詰めの二俣は思い切り間違えられた?けど、米子があまりに素晴らしかったのでよしとしよう。

もし、まだ行ってなくて行きたい人がいるなら是非オススメしたい。別に渋滞の紅葉の時期に行かなくても夏でも十分至福の時を味わえる沢ではなかろうか…(YU)