山行記録/個人山行/2005-08-06/岩井又沢

Last-modified: 2010-03-16 (火) 23:24:52 (3074d)
山域朝日連峰・三面川岩井又沢〜畑沢
日程2005年8月6〜9日
参加者L.IN,AO,SH

記録

二年前、INさんに初めて会ったときから聞かせれ続けた岩井又。「何が何でも岩井又行くぞ!」INさんの意気込みは半端でない。こんなINさんは初めてだ。ワシにとっても参加し損ねた剣の代わり、これが夏合宿だ。

8/6アプローチからギンギンに暑い。駐車場で身繕いしている時も首の後がチリチリしてくる。鬱蒼としたブナの森を歩いていると眼下にエメラルドグリーンの流れが見える。三面川に降り立つと早速アブが挨拶してくれる。水は温く気持ち良い。入渓点を間違いて小一時間徘徊して岩井又へ入渓。2回の高巻はあるがそれ程難しいところも無く、ひたすら美しい流れに身を任す。 この日の核心は「アブ」。へつっている時も、泳いでいる時も、先頭もラストも、休憩時も、ひたすら無差別攻撃を受けた。「夕方になるといなくなるよ」というINさんの言葉も空しく、17時幕場に着いてもブンブン。ザックを降ろして装備を出そうにもブンブン。SHが防虫ネットを被り夕食作りを試みたが錯乱状態に陥った。19時過ぎ焚火を炊いてようやく大人しくなった。この日は焚火の周りにゴロ寝。

8/7 4時起床。アブの活動前に朝食を済ませたかったが4時20分にはアブが出てくる。何て勤勉な奴らだ!それでも焚火の影響か気温が低い為か暫くすると大人しくなる。ソソクサと朝食・身繕いを済ませ出発する。薄曇りから小雨になるも水温は高いので気にならない。しばらくすると雨も上がり、大ゴルジュ帯に突入する。次々と出てくる難所をINさんが全知全能を傾け突破していく。大ゴルジュ帯をようやく抜けたところでアブも少ないのでお昼を摂る。結局3食用意した昼食を摂れたのはこの日だけ。畑沢出合で幕営。まだアブはブンブンやっているが昨日に比べれば可愛いもんだ。こっちの感覚が麻痺しているだけかもしれないが。

8/8 4時起床。畑沢に入るとようやく普通の沢と同じ規模になる。喜助ノ滝まで約2h。高巻前にINさんが大高巻前の注意点をレクチャーしてくれる。嫌らしい笹薮を直登し始めると上からひらりんが降ってくる。心中はゴメンだよ。約2h半の高巻の後40mロープを2本連結して懸垂下降。INさんは相変わらず高巻が上手い。雨が本格化してくる。3段の大滝の下二段は簡単だが最上部は「どーすんのこれ?」という感じ。INさんが滝をトラバースしてから巻気味に上に抜けていく。SHが取り付くと出だしで落ちてしまい慌てて引揚げる。ラストで登るとINさんがスープを温めてくれていた。降りしきる雨の中、冷えた体に心地よい。 ここら先、遡行図上は「平凡」となっているが連瀑帯で3級の沢なら核心部となるような滝が出てくる。INさんが左から取り付くが落ちてしまい、高巻も出来ず、雨も土砂降り。進退窮まるか?と思ったら「とても登れないんじゃない?」というようなチムニ-からINさんが突破する。SHとワシはゴボウで続く。ここから先も連瀑帯。直登、嫌らしい高巻、トラバースと続けざまに突破して、あたりが薄暗くなった頃ようやく「平凡な小滝が続く」渓相となる。雨はいつのまにか止んでいた。晴天の日中ならさぞ美しく気分の良いところだろうに。緊張が取れた為か急に体が重くなり遅れを取るようになってしまった。BP適地も無い為稜線まで詰める事にする。二股でへッデンを着けしばらくすると水が涸れ、ヤブ漕ぎとなる。辺りは真っ暗でガスも出ているためコンパス頼みのヤブ漕ぎ。登山道に出るといつもの「ハイタッチ」をする気力もなく、寝ながら大朝日避難小屋にダラダラ歩いた。

8/9古寺鉱泉に下り、タクシー・電車・タクシーと乗り継ぎ車を回収。帰京は日が変わった明方の4時だった。 沢のグレードは水量や雪渓、天候によって難しくも易しくもなるというが今回の岩井俣は紛れも無く「5級の沢」だったと思う。気力・体力使い果たしてエネルギーゲージ0です。INさんお疲れ様、そしてありがとうございました。SH、アブ顔治ったら、又沢に行こう。(AO)

Photo

岩井又沢1.jpg

岩井又沢入渓!冒険の始まりだ


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早速アブの洗礼を受ける。このころは未だ余裕。この先発狂しそうになった。


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こんなきれいな淵に出会うと…


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こうなる


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二日目、大ゴルジュ帯に突入する前のINさん


岩井又沢6.jpg

ゴルジュ帯を突破してINさんとSH。本当はこの先3日目の畑沢が核心だったのですが、雨と余の厳しさに写真は殆ど全く撮影できなかったのです。スミマセン。


中々山にいけなくなってしまった今となっっては、もうこんな大きな沢に行くことは無いかも知れないが、自分にとってかけがえの無い遡行となった。沢で「もしかしたら事故るかも」と思ったのもこの遡行の三日目、大雨の中、畑沢を詰め上げる最中だけです。何度INさんを大声で呼び助けを求めたことか。もう恥じも外聞も無かったな〜。

今はもうINさんもSHも会にいないけど、これだけの経験をした仲間というのは貴重で今でもお付き合いをしている。ホントウはこれだけの経験を積ませて貰ったのだから後輩を連れて行くべきだとは思うけど、ちょっとワシには荷が重い。(08年1月追記)