山行記録/会山行/2009/夏合宿/北アルプス・穂高屏風岩・滝谷

Last-modified: 2010-03-16 (火) 23:25:10 (3139d)
山域北アルプス・穂高屏風岩・滝谷
日程2009年8月11日−2009年8月16日
参加者2名

コースタイム

8/10(月)雨 新宿発23:00夜行高速バスで上高地へ

8/11(火)雨〜曇り 6:00沢渡で低公害バス乗り換え、上高地入り→7:00発→10:30横尾着 徒渉点偵察→偵察・徒渉点工作後テント設営→横尾テント泊

8/12(水)晴 2:30起床→3:50発→4:30徒渉点着→5:40徒渉・1ルンゼ押し出し〜T4尾根取り付き→8:30屏風テラス・雲稜取り付き→9:00登攀開始1P(改定日本の岩場下参考)2P→扇岩テラス休憩12:303P→13:45時間切れ終了→同ルート懸垂下降→18:301ルンゼ徒渉点→19:00岩小屋跡→横尾テン場。

8/13(木)雨 10:00テン場発→13:30涸沢テン場着→テント設営後宴会

8/14(金)晴 8:00テン場発→11:00北穂南稜→滝谷ドーム取り付き偵察13:00→下山→涸沢ヒュッテ生ビール→テン場

8/15(土)晴9:00テン場発→14:00小梨平着T脇さん一家と合流→風呂・宴会・テント泊

8/16(日)晴 6:00発→タクシーで沢渡→T脇さん車に便乗→帰京13時頃 (記録:K暮)

S田のレポート

11日 晴れ 夜行バスで朝上高地へ着いた後横尾へ行き屏風岩への渡渉点を捜す。水量がまだ多いため渡渉点に岩をたくさん投げ入れ流れを浅くして目印にケルンを積む。

12日 快晴 2:30起床 3:50出発 昨日積んだケルンを目印にまだ寒いなか思い切って横尾谷の流れに入り中洲まで渉って一息入れその後もう一回渉って対岸の1ルンゼ押し出しに辿り着く。冷たさで足がジンジンする。6:00屏風岩へのアプローチであるT4尾根取付きに着き登攀準備して6:30に尾根を登り始める。T4尾根は1ピッチ 4級スラブ 2ピッチ 5級マイナスフェース 3-4ピッチ 樹林帯 5ピッチ 3級露岩帯という尾根だがアプローチとしては手強い。ツルベで登ってT4に8:30に着き9:00屏風岩雲稜ルート登攀開始。1ピッチ 5級ジェードル 50メートル K暮さんトップで取りつくが上部が難しいようだ。フォローするが確かに難しくA0を使って抜けた。屏風岩は日当たりがよく遮るものが何もないため夏は強烈に暑く虻などの虫も多い。2ピッチ 5級プラス フェースとバンド 40メートル S田リードするが出だしから悪くルートファインディングに苦労する。ルートらしいところを登っては違うとクライムダウンしたりしてやっと本来のルートを発見、ロープの流れが悪いため途中で切って扇岩テラスへ上がる。そこはルート中一番安定したビレー点だ。一息入れ3ピッチ スラブ4級A1 35メートル にS田取りつく。始めのうちの人工はピンの間隔も短く易しいが上部に行くに従いフリーがミックスしてくるとグット難しくなり細い立ち木なども使ってやっと抜けた。K暮さんが上がってきた時は既に1:45、あと2ピッチ登ればほぼ終了なので行きたかったが時間切れ終了にした。登りながら見てきているとはいえ下降になるとルートがはっきり分かるとは限らずどの程度の時間で下りられるか見当がつかないからだ。計画段階から2時には終了と思っていたのだが結果的にあの時点で時間切れ終了とした判断は正解だったと思う。下降のルートファインディングを慎重に行いまたロープが回収不能とならないよう気を付けて下りたのでT4着は16:30、横尾へ戻ったのは19:00とヘッ電ギリギリの時間だった。

13日 雨 朝からの雨のため屏風岩東稜を中止しカラ沢へ上がる。濡れたものがなかなか乾かずまた雨が夜まで降り続いたため明日の壁の状態はよくないだろうと思い込み寝るのが遅くなった。

14日 快晴 朝起きるとカラ沢カールを囲む全ての山がクッキリ見える。濡れたものを乾し出発は8時すぎだった。いくらなんでも遅すぎる。滝谷で小暮さんの知り合いに教えられドーム中央稜への懸垂ピンを見つけたときは一時だった。それから登って登れないことはないだろうが遅すぎる。残念ながら登攀は中止した。翌日の滝谷の予定も上高地へ集合する時間から逆算すると厳しい。意欲満々のK暮さんには気の毒だったが今日と合わせて明日の登攀も中止にした。考えてみると13日に雨のなかカラ沢へ上がってきた時点で濡れたものを乾かすより明日の晴天を期待して早く休むべきだった、或いはその翌日の14日濡れたものを乾かすより即滝谷へ出発すべきだった、或いは14日は休養にあて15日夜中から行動し始めれば滝谷を登っても上高地の集合に間に合ったのではないか等々滝谷登攀ができなかった反省が次々に浮かぶ。しかしこれも事故を起こさないよう考えて行動した結果なのだからと自分を納得させる。ただ以前と比べ体力が落ちていることはカラ沢から北穂へ登る時いやというほど自覚させられた。自分としてはカラ沢から北穂は2時間と思っていたのだが懸命に登っても3時間かかった。ガイドブックでみると3時間となっているのだが・・。

15日 快晴 春合宿に続いて素晴らしいカラ沢の景観をゆっくり楽しんでから小梨平へ下る。途中の雪渓はヒュッテのスタッフがステップを切ってくれているので助かる。小梨平ではTさん夫妻と四男がビールや焼肉を大量に用意してくれている。A松パーティーが到着しない。メンバー一人が発熱のため入山早々下山したそうだ。どうりでいくらやっても無線が通じないはずだ。でも大事にいたらずよかった。今回の合宿では反省点も色々あるが収穫もある。屏風岩雲稜ルートの下降のルートがハッキリ確認でき次回はもう少しスピードアップできるのではないか、又滝谷ドーム中央稜への懸垂ピンの位置が分かった、又自身の体力を考えてゆとりをもった計画を立てるべきだ等だ。最後に差し入れを頂いたI田さん、M岡さん、K子さん有難うございました。他にも差し入れ頂いた方おられたら当方存じなかったことお詫びします。(S田)

K暮のレポート

1日目:ゆっくり準備をして、以外に少ない観光客の中を25kg程度になったザックを背負い出発。本日の行動、横尾までとはいえ、時間の経過と共に重さを感じる。朝露で濡れているのか、今朝までの雨で濡れているのか、足場が悪い。だらだらと歩を進め10:30分横尾着。この頃には地面も乾き陽射しが強い。早昼後、明日の徒渉点偵察に出かける。橋を渡り40分程岩小屋跡を目印に河原に出る。対岸に1ルンゼ押し出しが見える。昨日までの雨のせいかこの天気で雪渓が溶けたのか、水量は普通に渡ると腿迄きそうだし、流れも早い。丈夫そうな木を杖頼りに途中まで入るが深い。一ヶ所フィックスロープが上に張ってあるが、その下は激流である。上流、下流を偵察し、中洲あたりから対岸にいくつもの石を運び渡渉場所工作。ケルンを積んで明日の準備とした。2時間あまりのアルバイトでようやくお腹も空いて、夕飯となる。

2日目:星空が綺麗に残っている中、ヘッデンをつけ出発。ケルンがわかるだろうか、水嵩はどうかな?・・・渡渉の事ばかりが心配、何故なら最初の核心だから。上手くケルンが視認でき、水嵩も昨日より少なめの為順調に徒渉、1ルンゼ押し出しへ入った。T4尾根取り付きで装備、つるべで開始。「アプローチのT4尾根は以外と手強い」とあったが、まさしくアプローチなのに200m余り、結構検銑后櫃4Pと時間を取られる。T4を上がりきった所、真ん中に崩れた雪渓を残し、屏風の壁がガガ〜ンと聳え立っている。感動だ!!前後・左右、他パーテイのいない壁を独占だ!(・・・ここで、ノンビリし過ぎた)。1p K暮 明らかなコーナーを左へピナクルテラスへ向け(壁が大きすぎてピナクルがよく見えない)ボルトに沿って上る。上部小ハングで頭がつっかえ右上のハーケンにヌンチャクが掛けられない。これはムーブが違うんだろう・・・と悩み左壁の残置スリングに一時ビナ・ロープを通し、身体のバランスをとってから向きを変えつぶれかけたハケンにようやくスリンゲを通した。ハングを乗っ越した所にリングボルト3箇所の支点(?)を見つけセルフを取る。セカンドプルアップの体勢に入った所で、つい1m先の岩陰に立派な支点発見(ハーケン・懸垂ビナ)。 2P S田 ピナクルテラスからすぐに右上してフエースに入る。S田さんの声は聞こえるが内容が聞き取れない。ロープが一度戻りまた止まる、結構悪いのが手にとるように分かる。扇岩テラスへのフエース〜スラブがとても長く感じる。ようやくコール。ピナクルテラスからやや右へ出 たほうが良いのか?・・ここは細かいホールドを拾ってバランスを取りながら行くしかない。ロープの流れが悪くなるから、と、ルンゼ手前の支点でS田さんが確保している。そこから、ロープを出してもらい、ルンゼを通過、扇岩テラスへ出る。ここでようやく一息。日差しが避けられ、水・パンをかじり休憩する。3P S田 トラバースルート希望の私に代わり、S田さんリード。ボルト間隔の近い気持ちの良いA1・・・と思いきや、後半支点手前でハーケンが遠い。アブミ最上段に立ち上がっても上のハーケンが取れず、左横岩に生えている小木を束ね体重をかけようやくハーケンにヌンチャクをかける。聞くと、S田さんも、同じ動きだったと・・・。最後が渋い人工ピッチを終えると、もうすでにタイムリミット(14:00と約束していた)。下降:話し合いの結果、下降を決め終了とする。そこから、懸垂下降の準備に入り下降を始めるが、上りに見た形状が違って見え、余計にピッチを切ったり、トラバースをしたり、仮固定をして上り返すなどのロスタイム、雲稜取り付きに戻ったのは17:30、実にながい下降であった。ケルンの積んだ中洲は、すでに水量が増し、石を運んで工作した場所は、小石もろとも流され形状を変えていた。でも、すがすがしかった!S田さんと河原で握手!ロープ操作の不慣れや、行き過ぎの下降などで、反省点多々ありだが、とりあえず無事下山!。半分で達成できなかったが、得るものは大きかった。ヘッデンなしで、何とかお天気も持ってくれ、テン場へ着く。ビールが最高!!夜半から雨。明日は停滞せず涸沢まであがることに決定。

3日目:どしゃ降りの雨の中、20数キロの荷は重い。一向に止む気配のないまま、濡れネズミ状態で、涸沢テン場着。この雨の中テントが多い。1枚500円のボードを借り、大雨の中テントを張る。そのまま、なだれ込みカートリッジ1ヶを干し物で使用した。外に出るに出られずの雨足だった。明日は岩、ナイネ。・・・等かってに判断。ようやく小降りになったのは、22:00だった。

4日目:嘘のような晴天、少し匂うか?な・・・テント内のものを干し出かける。北穂南稜はハイカーでつながっている。トポを見ながら取り付き地点確認。ガレ場を降りる薄い踏み跡がポイント。落石が起きる場所なので注意が必要だ。ドームも北壁も時間的に中途半端となってしまい、テン場へ戻ることにした。(景色が良いのでゆっくりもいいか・・・)

5日目:小梨平での合流(本当は絶対にお風呂に入りたい)の為、テント撤収し下山開始。急に町中に出た感じの雰囲気の中、T脇さんご一家の歓迎を受ける。心尽くしの焼肉・ビールが美味!今回の合流は1パーテイのみでちょっと寂しかったが、夏合宿を無事終えて満足感一杯である。大きな荷を担いで合流して下さったT脇さん、カンパしていただいた皆様に感謝です。6日間、行動をともにして「お互いに納得しあいながらの山をやろう・・」と言って配慮してださったS田リーダー、本当にお世話になりました。(小暮)